少女囚　フランドール・スカーレット

フランドールは退屈だった、外の世界からの存在、警察の治安維持によって今までほど暴れることができなくなった、「はぁ、退屈、どこもかしこも警察ってのばっかり、そろそろ思いっきり暴れたいなぁ」フランドールは外を見る、今宵は新月、夜に紛れて暴れるには絶好の時間、「少し暴れるだけならいいよね！」フランドールは窓から外に出る、内から溢れる破壊衝動を抱えたまま、しかしフランドールは甘く見ていた、幻想郷に‘自分達の意思’で来た外の世界の警察達を。
次の日、紅魔館に警察が押しかけてきた、「フランドールさん、あなたに逮捕状が出ています、あなたを器物損壊で逮捕します」フランドールは昨日の夜、衝動のままに暴れた、不運なことにその場所は金持ちが多く住む土地だった、フランドールは様々な物を壊しまくった、そのせいか多くの住民に顔を見られていたのだ、フランドールの手首に手錠がかけられ、腰縄をつけられる、「やだ！助けてお姉様！」フランドールは青ざめながら警察官の話を聞いていたレミリア達に叫んだ、レミリアは助けようと警察官に飛び込もうとするが、「大人しく願います」警察官数人に取り囲まれ対妖怪用の拘束銃を突きつけられる、レミリアは唇を噛みながらフランドールが叫びながら連行されていく様子を見ることしかできなかった。

フランドールは裁判で被害者達が弁償よりも懲役を望んだため被害の数を考慮して懲役10年を宣言された、フランドールは精神面、肉体面を考慮し、少女囚として収監することになった、フランドール刑務所に移送され入所手続きを受ける、囚人服を渡された、少女囚の囚人服は通常囚の囚人服とは違い、シャツ一枚と短パン一枚になっている、フランドールは囚人服を着てマグショットボードの前に立たされた、自身の罪状と名前、懲役が書かれたネームプレートを持ちマグショットが撮られる、自分は囚人になったという現実に直面しフランドールの表情は不安に染まっていた

独房へと連行されているフランドールの足取りは重いものだった、独房は剥き出しのトイレ、硬いベッド、本が数冊ある程度、「こんなの暇すぎて気が狂っちゃうわ！どうにかしてよ！」フランドールは看守に訴えかけるも、これでもましな待遇だ、とあしらわれてしまった、「お姉様…これから私…どうなっちゃうのかしら…」フランドールは不安でいっぱいになりながら収監初日を終えた

次の日、フランドールは自身の担当する刑務作業グループの点呼に呼ばれた、点呼を済ませたフランドールは刑務作業に入る、新人は汚れ仕事というのがこの刑務所の決まりなんだとか、そのためフランドールは独房のトイレ掃除を担当させられた、元お嬢様のフランドールにとっては汚くとても屈辱的なことだがこの刑務所では一囚人に過ぎない、フランドールはブラシをトイレの中に突っ込み、ただひたすら磨く、水が跳ねて顔や手につく、フランドールは嫌な顔をしながらもトイレ掃除をさせられ続けた

食事の時間になり囚人達は食堂に集められ食事が配給された、食事はとても簡素な物で必要な栄養を凝縮して出されるからか量がとても少なく食べた気がしなかった、さらにこの刑務所では食事は昼の一回しかなくこれでも囚人達の心の拠り所になっていた

午後の刑務作業を終え、囚人達は独房に戻された、過酷な一日を過ごしたフランドールは一冊の本を手に取る、興味本位で手に取った本は以外にも面白く、疲れ切った顔に笑みがともる

こうしてフランドールの囚人生活は始まったのだ