ナヴォルガ紛争 トハスロヴォの交戦

絵:ハクト・スローヴァンク内衛旅軍 第25自動車歩兵軍 -ナヴォルガ紛争中期 "トハスロヴォの交戦"

調約詩としてではなく、自身らの区域の防衛のために、ハクト・スローヴァンクらは出撃した。
西部南方に展開したハクスラバ・ノノイ内務（ナヴォルガ）を迎え撃つに足る戦力を有していなかった内衛旅軍ではあったが、同地域でナヴォルガ内務らとの交戦を続けていたハクスラバ・ノノイ内務の知識を得て、自身らが保有する装甲車を駆使した。
その戦力とは、チノチズのサーファエン自動車が製造したLerfaenを装甲化改造した軽戦闘車のみであった。主に正面戦闘は避け、待ち伏せ攻撃や人員が降車した隙を突くよう、各隊に繰り返し伝達がなされ、それによって被害はある程度抑えられていた。

装甲化されたナヴォルガ内務第53部隊や、その他独立行動部隊との衝突が発生したカクスラバ（カクト・ローテスタン地域）では、ハクト・スローヴァンク内衛旅軍側も、これを最大限の戦力で叩き潰した。チノチズ製戦車で武装したナヴォルガ内務は、ハクスラバ・ノノイ内務およびハクト・スローヴァンク内衛旅軍に対し猛攻を仕掛けたが、そこにはいくつかの見落としがあった。

森林地帯である東部ナヴォルガは、すでに掌握したとナヴォルガ内務は信じていたが、実際にはナーノイイェチ・ヌイヌイ誌務らの戦術工作兵や、ハクスラバ・ノノイ内務ツァクラフコルカズス方面軍が待ち伏せ攻撃を敢行し、同地のナヴォルガ内務部隊を撃破していた。彼らは奪取した通信機材を用いて、東部ナヴォルガを掌握したとの誤情報を流しており、ナヴォルガ内務もこれを事実と信じていたのである。

東部ナヴォルガの状況を軽視し、南方経由で東部への戦線拡大を図ったナヴォルガ内務は、トハスロヴォに到着し、先行していたハクト・スローヴァンク内衛旅軍第25自動車歩兵軍と衝突した。
ニッカイル・F・プロビッツ(Nifqkyr-Foen-hPllovitz)が率いる第25自動車歩兵軍は装甲車のみの装備であったが歩兵装備の対戦車擲弾や破片手榴弾、焼夷手榴弾を活用して戦車を足止めし、止まったところを肉薄で撃破した。相手は37mm程度の中口径砲を主装備としており、戦車であるがゆえに強大な防御力を有していた。内衛旅軍の戦いは決死の作戦であったともいえよう。