武装神姫2103という妄想
寝たきりのお爺ちゃんの枕元には、古いクレイドルが置いてあった。 『グレイシア』と名付けられた武装神姫が、いつもそこに座っていた。 ゼルノグラードシリーズの最初期型、60年以上も昔のモデル。 塗装もされない継ぎ接ぎの素体、足りないパーツを武装で代用したみすぼらしい姿。 後頭部の増設バッテリーがなければクレイドルを降りることも出来ず、左胸のCSC補助装置を用いてなお、彼女は物忘れが激しい。 もう二度と戦うことの出来ない神姫は、もう二度と戦うことの出来ないパートナーを、どんな思いで見つめていたことだろう。 お爺ちゃんの葬儀が終わる頃、グレイシアは家族の前から姿を消した。 今も残るベッドの枕元には、古いクレイドルが置いてある。 『グレイシア』と名付けられた武装神姫は、きっと帰って来ないだろう。 改行してえ。
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2010-10-05 03:26
Comments (8)
>kliceさん 良くも悪くも人間のパートナーだ、地球上の神姫がいつでも全て馬鹿笑いしているわけじゃないだろうな…とふと思いました。
>からしニコフさん 笑顔の似合わない神姫はいないと思うんだ…でも泣き顔が似合わないとは言ってなry
>える子さん 彼女達とは末永い付き合いをしたいものですなあ。
>SGF-004さん ありがとうございます、ちょっとだけだが文章を推敲したかいがあったw
なんという、せつなさみだれうち。
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