ワールドウィッチーズ戦記<アブキール1942>挿絵
C79にてサークルBlauHexenが発行した架空戦記用に描いた挿絵です。時間の制約もあり完全なラフ絵であり、オーダーを消化しきれていない部分もあります。1枚目は高高度に特化した指揮管制タイプのネウロイ「ヴォスミシスト」に攻撃を行うレイノルズ中尉。2枚目~4枚目は順にレイノルズ中尉、ジェンダーズ少尉(C79頒布誌のキャラクター解説では中尉になっていますが正しくは少尉です)、アリス少尉。最後は同ネウロイの斜め下後方の一葉。//本文中にて記述されていない部分ですが、このネウロイのモデルとなったJu86pはハインケル(He)・ユンカース(Ju)両社に下された爆撃機競争試作で設計されたJu社側の機体です。Ju86がアスペクト比の高いテーパー翼を特徴としている一方で、He社の機体He111は楕円翼を備えており、実際に性能で優越し主力となったのはHe111だったのです。この「楕円翼の機体」に敗れたJu86ですが、旅客・輸送・爆撃機として運用されるのと併せて大幅な改造により高高度爆撃・偵察機としても運用されています。これこそがJu86Pであり、連合軍の到達困難な12000mに達する高高度の飛行を行う事で圧倒的優位を得て小規模ながら活躍する事になります。 今回の物語の背景には史実の戦闘だけでは無く、「テーパー翼機」であるJu-86から主力爆撃機としての座を奪い取った「楕円翼機」に対する「因縁」が存在し、それが行動選択上に大きな影響を与えているとする史実に対するある種のオマージュであると考えながら読んで頂ければ、それは又新しい見方となるのでは無いかと思う処です。(He111同様、スピットファイアは楕円翼機の代表的存在の1つです) なお、Ju86Gの初期型とこの86P型はディーゼルエンジン搭載航空機として航空史に刻まれている事でも有名です。
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2011-01-01 07:24
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