（番外編）プロトタイプ・ケイトその４「人形の時間」

これは人間の脳を使用した戦闘用アンドロイド『コンバットドール』の試作機『プロトタイプ零号』に改造された英国人の少女ケイト・パトリクスの話です。□□□□□□□□□□「ピキュ～ン！プロトタイプＢＳ・００ＸＲ型ケイト・正常ニ起動シマシタ・ボディ各部チェック完了・何モ異常アリマセン…カシャッ！」「これがケイトか？驚いたな。純正のロボットのようじゃないか。本当に人間時の記憶も意識も残っているのか？」「司令、まあケイトに質問して自分で確認してごらんなさい」「ケイト、私が誰だかわかるかね？」ケイトの視覚センサーがとらえたのは、防衛軍の岸田司令でした。横暴で威圧的で無神経で、ケイトの好きになれないタイプの軍人高官です。「ピピピッ！カシャッ！ハイ・防衛軍ノ岸田司令官デスネ・人間時ノメモリイト照合シテ・確認シマシタ」「君が自らプロトタイプに志願してくれたと聞いて喜んでいるよ。死刑囚では計画の進行が著しく遅れると村上博士がこぼしていたのでね。人間の意識と記憶を持ったままで人間の道具であるロボットになった気分はどうだね？」「ピキュ～ン！…今マデ心ヲ持タナイタダノ人形ト思ッテイタロボットニ自ラナッテシマイ・自分ガ自分デナイヨウナ非常ニ不安定ナ気分デス・シカシコウシテ改造サレタカラニハ・人間ノタメニ末長ク働クロボットデイタイデス…カシャッ！」「ふむ。本来今の段階で話すことではないが…君は性能テストが終わった後は格納庫に入れられ、そこで耐用年数が過ぎるまで保管されてから廃棄処分になる予定なのだ。村上博士からその話は聞いているかね？」「ピキュ～ン！村上博士カラ・ソウイウ話ハ・聞イタコトガアリマセン…カシャッ！」ケイトは何か言いたげな顔で村上博士を見ました。「ケイト…すまない。君にそのことをちゃんと説明をしなかったのは本来許されることではないが…しかしこれは…」「ピキュ～ン！イエ、私ハ人間ニ奉仕スルヨウプログラムサレタロボットデスカラ・博士ニ命令シテイタダケレバ・保管庫ニ入レラレルノモ・廃棄処分ニサレルノモ・全テ受ケ入レルツモリデス…カシャッ！」（★注意：このイラストに登場するケイトは、『撃殺！宇宙拳』に登場するケイトとは多少設定が異なることをお断りしておきます。）（ブログ記事＝http://ameblo.jp/robozuki/entry-10763416814.html）