フランちゃんマジ天使
「ねぇ、お兄ちゃん? 僕と契約して、魔法少女になってよ」「は?なんだって?」「だから、ボクと契約して、魔法少女になってよ」何を言っているのかさっぱり分からない。まあ、多分いつものように、何かしらの作品に影響されたのだろう。「魔法少女はフランじゃないか」「でもお兄ちゃんも魔法少女になってもいいと思うの」「確かに」「『隣人は静かに魔法少女』大好評公開中、私の作品じゃないけどよろしくね」「俺が魔法少女になるとしたらどんな感じだろう」「千年を生きるヘンタイさんの魔女」「もう魔まマじゃなくてうみねこじゃねーか」「その魔法は牝を孕ませる」「だから、女の子がメスとか言っちゃめーなの」「めーっ」「よろしい」「ところでお兄ちゃんから借りた沙耶の唄だけどさ」「おう、どうだった?」「ダメだねあれ」「ぶっ殺す」「かかってこいよ!」俺のひっさつわざ! しかしこうかはなかった! フランドールのひっさつわざ! 俺に五百五十五のダメージ! 「おお、ああああよ、死んでしまうとはなさけない。ほら、手当してあげるよ」「ぐふぅ……いーつも、すまないねぇ……」「ほらほらおじいさん、それは言わない約束でしょ?」俺の柔肌の上を彼女の五指が蹂躙する。。ああ、その肢体はたっぷりと液体によって白く染め上げられてしまった。そしてぐるぐるに拘束されてしまった俺の五体。その純白の拘束具は、まるで俺の、彼女がもたらす快楽への屈服を示すかのような……。「はい、包帯終わり。もう、話戻すけどさ、お兄ちゃんはやく吸血鬼になってよ」「ここで冒頭に話がもどるわけか」「だって、おもちゃ貰えるってお兄ちゃんに会ってから三ヶ月。全然遊べてないよ」「だって、吸血鬼になるのはイヤだ。俺は人間だもん」「……私と同じになるのは、イヤ?」「イヤじゃないです。血吸ってくれ」「わぁい」ばんざいしながら襲いかかってくるフランを片手で制する。「待て」「わんわん!」「おねだりしてみなさい」「沙耶みたいに?」「いえす」「それによってもたらされる経済効果は?」「計り知れない」「それによってもたらされる変態効果は?」「とぅせいなっしんおぶ」「よろしい。えと」上目遣いで、後ろに手を組み片手を口に当て、「お兄ちゃん」濡れぼそったその声で、「お血んぽ……ちょうだい?」フランは俺の血を求めた。
2
1
583
2011-03-20 06:20
Comments (0)
No comments