tanasinnの塔 001
「『 』さん!」病院向かう途中の繁華街で、耳覚えのある声に呼び止められた。あまり仲良くはない、クラスメイトのY田だ。tanasinn化の進んだ私の顔を見て一瞬戸惑ったようだが、すぐに安堵するとぼろぼろと泣きながら駆け寄ってきた。
「よかった! みっ、みんな私の事置いて行っちゃって…もう駄目かと思った…」
どうやら彼女は自身の影がtanasinn化してしまったらしい。どういう理屈で影に影響を及ぼしているのかは全く不明だが、その意味不明さがむしろ不気味である。だから取り巻き立ちに逃げられたのかい。そう皮肉を込めて尋ねてみる。
「ひっ…わ、わかんないけど。」
…いや、よそう。芸能事務所に所属する彼女がもてはやされていたのは、むしろ当然の事であろう。努力する人間を妬むのは人として小さすぎたなと思う。
病院に行くんだけど、一緒に行く? となるべく優しい声で問いかける。
「いくよ! 着いて行く! だ、だから置いていかないで…」
「よかった! みっ、みんな私の事置いて行っちゃって…もう駄目かと思った…」
どうやら彼女は自身の影がtanasinn化してしまったらしい。どういう理屈で影に影響を及ぼしているのかは全く不明だが、その意味不明さがむしろ不気味である。だから取り巻き立ちに逃げられたのかい。そう皮肉を込めて尋ねてみる。
「ひっ…わ、わかんないけど。」
…いや、よそう。芸能事務所に所属する彼女がもてはやされていたのは、むしろ当然の事であろう。努力する人間を妬むのは人として小さすぎたなと思う。
病院に行くんだけど、一緒に行く? となるべく優しい声で問いかける。
「いくよ! 着いて行く! だ、だから置いていかないで…」
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2011-03-30 19:44
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