recollect

＃男はこちらをみて、「こんにちは」といった。どこかで会った気がするがおもいだせない。「おひさしぶりです」声は周囲の雑音にまぎれず、はっきりと聞こえる。男は三白眼の目をほそめ、軽薄そうな笑みをうかべた。いやな顔だ。だが、なぜだか背筋がすっと寒くなる。なにか返事をしなくては、と声をだそうとすると、男はそれを遮るようにいった。「自分以外のすべてを犠牲にして手に入れた、あたらしい生活はいかがですか？」男のいっていることがわからなかった。必死になっておもいだそうとするが、男に関する記憶などどこにもみあたらない。それでも、男がなにを要求しにきたのかだけは、わかった。「対価をもらいにきましたよ、ミスター」頷いた。私は今日、死ぬのだ。＃　　　　■ブクマ評価コメタグありがとうございます！キャプションも読んで貰えて嬉しいですﾄﾞｩﾌﾌﾌ（＠ルパン笑い）（*´▽｀*）必ず自分に利益があることしかしない、それが悪魔。