二人の決意「受け継がれるもの」
アルトビリアにおいて、ウッドエルフの女王メリンサの「冒険家」ゴルディに対する婚約は、ゴルディとエルフ達に反感を呼んだ。「高貴なるエルフ王家の血を人間の血で汚すのか!」と…重臣たちが諌めるのも聞かず、メリンサはゴルディを求めていた。しかし、ゴルディは婚約など無視して他のエルフ達に連れられ仲間とともに森を抜けてしまった。これを知ったメリンサは悲しみではなく怒り狂った。「何故自分の求めているものが手に入らぬのか!」と、そう、メリンサはまだ幼く、品位はあっても傲慢であったのである。やがて怒りが解け、女王は思った。私はなぜ彼をここまで想い焦れるのか、人間とはどの様な者達なのか・・時間はたっぷりあった、女王は部下をゴルディの村に向かわせ、彼の事を調べさせた。そして自分は古い書物から人について学び始めた・・数年の月日が経ち、メリンサは知った、彼は巨人の末裔であり(祖父も巨人)彼が生まれ持っての旅人だということを、そして、仲間との友情にも厚く、そこに優しさが潜んでいることを。女王は彼の事を知る内に、自分は彼に恋をしていたのだと気付く、だが、ウッドエルフは人間に比べれば遥かに長寿であり、もし自分の恋が叶うとしても最後には必ず悲しみが待っていることは明白であった。それは過酷と言わんばかりの辛さである。…時が十年経ち、「冒険家」ゴルディは十年前の過ちを取下げてもらうべく再び森へ戻ってきた。十年にも及ぶ冒険の中で出会いと別れを繰り返し、大切な人も失い、「冒険家」のゴルディは成長していた。立派な男となっていたのある。女王メリンサは彼を見たときに昔の想いを思い出した。しかしそれとは違う想いで彼を見ていた、「如何なる事が訪れようとも、彼の傍にいたい・・」彼女は、彼を愛する決心をしたのである。そして彼女は出会った日と同じように満月の夜に告白した。もう幼い一時の情熱などではない、彼を愛し共に生きる決意であった。彼女は一人の女性になっていたのである。彼もそんな彼女に心打たれ、彼も心を決めた。こうして二人は夫婦となり。一人の娘をもうけた。やがて時が経ち、ゴルディが百二十三でこの世を去った。彼女は悲しみにくれたが時と思い出が癒してくれた。そして彼女のこの世を去る千三百九歳であった。二人の娘はおてんばのメリッサと呼ばれ、エルフで初めて人と同盟を結ぶ、メリンサの人を愛する気持ちは娘に受け継がれていたのである。
エルフ
elf
ファンタジー
fantasy
オリジナル
original
冒険家
explorer
決意
ketsui
抱擁
embrace
月
moon
愛
Love
千文字じゃ足りなかった・・・
物語のつづき
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2011-05-11 04:17
Comments (2)
「決意」のつもりで書きましたが、文才乏しく、こんがらがせてしまい申し訳ございませんでした。
こ、これはどう解釈してよいものか……? ハッピーエンド? いや、彼は「妥協」してしまったのか? 当方には何とも言えません。