不気味な老婆
ナイジェルは城のある一室に入った。「デネブ、いるか?」「おやおやお館様。どうされましたかの」。そこには怪しげな老婆がひとり。「すまんが、またお主の魔の力を息子たちに貸してやってくれんか」。ナイジェルはデネブと呼ばれた老婆にことの顛末を話す。「そういうわけだ。あ奴らのただの遊びなら良いが、障害の元は早めに刈り取っておこうと思うのでな。何かいい策はあるか?」「いくら手だれの騎士と傭兵と言っても、所詮は若い娘のすること。ヒヒヒ、わたくしめにお任せください」「気をつけるのだぞ。特に傭兵の方は、赤い悪魔と呼ばれるほどの凄腕のようだ」「ご安心ください。私は直接手を下しませぬ。力あるものを奸計で陥れていくのが、魔の力の醍醐味ですからな。ヒヒヒヒ」。身内であるナイジェルすらも不気味さを覚える老婆、デネブはさっそく魔の力の調合に入った。
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2011-05-29 20:41
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