面(ツラ)
ある日を境に、石田三成は徳川家康の顔に布面が見えるようになった。いつから付けていたのか、記憶を遡ってみたが定かではない。顔全体を覆う白練色の布が風に揺れ、ひらりひらりとその端をかえす。煩わしくはないのだろうか。--【中略】--知己の大谷吉継にこの不可思議な布を問うてみても、彼は首を捻るばかりだった。どうやら、あの布面は私にしか見えていないようだった。--【中略】--布面の文字は彼の表情を描いていた。文字が「笑」う時、彼は肩を揺らしながら笑っているふうであった。文字が「泣」く時、彼は息を殺し泣いているふうであった。面(つら)が見えずとも面(めん)の文字が家康の心を私に伝えていた。--【中略】--風が一層強く吹いた。いつもは布端が捲れる程度であったその面が、大きくはためいた。翻ったその面の間から見えた頬は、濡れていた。止まるところを知らない豪雨のように、ぽたぽたぽたぽた、涙は流れ続けていた。「笑」の文字が滲み、崩れ、見るも心苦しい有様である。しかし、彼は臣下に囲まれながら春告鳥の囀りのように声を弾ませていた。まるで喜んでいるように楽しく。笑っているように。--【中略】--石田三成は気付いた。布面は、偽りなのだと。--【中略】--彼の表情が布に遮られて見ることが出来ない。布が煩わしい。煩わしくてたまらない。--【中略】--引き攣った指先が、「泣」の描かれた布面をひき破いた。家康は泣いていた。瞳が溶け出るのではないかと思う程に彼は泣いていた。生温かく気持ちの悪い雫が私の上に降り注ぐ。嗚呼、何て滑稽な姿なのだろうか。天下人にもなろうという男が。・・・だが、何故だか、面(めん)の文字と違わず面(つら)が泣いていた事が、ただ、ただ、嬉しかった。----------------✁でっていう。怖い話見てたらデータが三回もアボンした。これが一番怖いだろ・・・。もう、「面」がゲシュタルト崩壊した。家康さんの表情の話。三成視点(家康赤ルート)です。gdgd妄想。1000文字とか無理でした\(^o^)/----------------✁評価・ブクマ・コメ・タグありがとうございます(*・ω・)*_ _))絶対妄想乙。読み辛い。夢の国に帰れ!と言われると思ってた。------✁八号さん=読み辛いのに・・!!ありがとうございますヽ(〃v〃)------✁ktkr!キャプション芸のタグ!嬉しいです!
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2011-06-04 15:42
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