どこまでも、どこまでも、まっすぐに空へのぼって行きました

『よだかはのぼってのぼって行きました。
寒さにいきはむねに白く凍りました。空気がうすくなった為に、はねをそれはそれはせわしくうごかさなければなりませんでした。
それだのに、ほしの大きさは、さっきと少しも変りません。つくいきはふいごのようです。寒さや霜がまるで剣のようによだかを刺しました。
よだかははねがすっかりしびれてしまいました。そしてなみだぐんだ目をあげてもう一ぺんそらを見ました。
そうです。これがよだかの最後でした。
もうよだかは落ちているのか、のぼっているのか、さかさになっているのか、上を向いているのかも、わかりませんでした。
ただこころもちはやすらかに、その血のついた大きなくちばしは、横にまがっては居ましたが、たしかに少しわらって居りました。』
(宮沢賢治「よだかの星」)

■■何とか間に合った…!落鳳日でしたので落書き。

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2011-07-07 23:15

 スケキヨ


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