赤い靴
少年は赤い靴に恋をした。例えそれが許されない事であって、靴に踊らされ続けたとしても、愛しい靴のに殺されるのならそれでよかったというのに。ああ、きこりは勘違いをして少年の足を落として、少年は靴と靴を履く足を失って。這いずって森の中で見つけた愛しい靴と自分の足を繋ぎ直してもらってはみたが、悲しいことに感覚がない。靴は履けても手で触れて、目で見なければ履いていることすら分からない。それでも少年は靴を愛して、嫉妬した天使は靴と同じ真っ赤なリボンで少年の首を絞めてしまったそうな。ああ、誰も救われない。
11
4
844
2011-07-13 22:39
Comments (0)
No comments