破滅

体制側たる各企業が「新資源」と称し、血眼になって独占を目論む旧時代のオーバーテクノロジー。現在の技術を超越したこの「新資源」を手に入れることは、世界の覇権や利潤を独占出来ることに等しい。だが「新資源」と称されるオーバーテクノロジーは現在の技術では到底制御出来るものではない、極めて危険な代物である。　　「特攻兵器」・「ＵＮＫＮＯＷＮ」とも呼称される、この兵器も同様である。生物、特に昆虫の様な特性を持つこの小型無人兵器は、攻撃目標に高速で突進し、接触直後に自爆する。生産プラントである「施設」を破壊しない限り、色も形も同じものが無限に造り続けられ、攻撃対象の土地へひたすらバラ撒かれる。　　新興の中小企業であったナービスが急成長を遂げ、各勢力のパワーバランスを崩すまでに至ったのは、この特攻兵器を始めとした旧時代のオーバーテクノロジーの情報、あるいはそのものを入手したことによる。　　しかし何度も述べる様に旧時代の技術は制御不可能の代物であり、現に「ナービス紛争」末期に前述の「施設」が起動してしまう。無数の特攻兵器が世界中にバラ撒かれ、圧倒的な数と、拠点や休息を必要としない性質に各勢力は効果的な防御策を成し得なかった。結果、世界は壊滅的な打撃を被ってしまう。