【PFW&K】千里を射抜く赤い瞳【剣の陣営】
■直感。そう、アレンドルフがふと踏み込み躊躇ったのは、彼の直感によるものだった。
皇帝の剣として敵を斬り、味方をも縊り殺してきた最悪の男の直感が、その瞬間漠然とした「死」を、彼に囁いたのだ。
そしてその直感は、正しかった。
次の瞬間。
何かが激突するような、そんな硬い音が空気を震わせた。
何事かと見てみると――彼が踏み込もうとした、一歩先。そこに、一本の矢が深々と突き立っていた。
矢の周囲は、抉り取られたように窪んでいる。恐らく、魔術効果――それも、とんでもなく上等な――が付与されているのだろう。
「ほう、これも避けるか。大したもんだ、全く……お前さん、本当に人間か?」
先程まで斬り合っていた男は、驚いたように尋ねてくる。
「一応は、な。……それにしても……」
これは狙撃か、と呟こうとして、言いよどむ。辺りには、狙撃に適したような場所など一切見当たらない。精々遠方に砦があるのが何とか視認できるくらいのものだが、普通の人間が、ましてや弓で、あんな場所から狙撃出来るはずなどない。
しかし、そんなアレンドルフの胸中を見透かすように、イスルードはにやり、と笑う。
「お前さんも大概な規格外だが……余の近衛にも、一人居るのだ。規格外の――千里眼がな」
戦場から遠く離れた砦に設置された塔のその上。
総てを見通すかのような真っ赤な瞳が、彼らを見つめていた。
■自キャラ:イスルード【illust/22384573】アレンドルフ【illust/22385350】ベルン【illust/22385001】
皇帝の剣として敵を斬り、味方をも縊り殺してきた最悪の男の直感が、その瞬間漠然とした「死」を、彼に囁いたのだ。
そしてその直感は、正しかった。
次の瞬間。
何かが激突するような、そんな硬い音が空気を震わせた。
何事かと見てみると――彼が踏み込もうとした、一歩先。そこに、一本の矢が深々と突き立っていた。
矢の周囲は、抉り取られたように窪んでいる。恐らく、魔術効果――それも、とんでもなく上等な――が付与されているのだろう。
「ほう、これも避けるか。大したもんだ、全く……お前さん、本当に人間か?」
先程まで斬り合っていた男は、驚いたように尋ねてくる。
「一応は、な。……それにしても……」
これは狙撃か、と呟こうとして、言いよどむ。辺りには、狙撃に適したような場所など一切見当たらない。精々遠方に砦があるのが何とか視認できるくらいのものだが、普通の人間が、ましてや弓で、あんな場所から狙撃出来るはずなどない。
しかし、そんなアレンドルフの胸中を見透かすように、イスルードはにやり、と笑う。
「お前さんも大概な規格外だが……余の近衛にも、一人居るのだ。規格外の――千里眼がな」
戦場から遠く離れた砦に設置された塔のその上。
総てを見通すかのような真っ赤な瞳が、彼らを見つめていた。
■自キャラ:イスルード【illust/22384573】アレンドルフ【illust/22385350】ベルン【illust/22385001】
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2011-10-18 22:42
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