邪符「ヤンシャオグイ」

水子だそうで。■どこかで読んだ覚えがあるんですが(今市子先生の百鬼夜行抄だったかな?)、子供の幽霊というのは大変対処しにくいものだそうで。生きてた頃から、理屈で物事を考えるところまで成長しておらず、大人になって身に着ける処世術や空気の読み方、常識なんかが通じない。そういうところが非常に怖いというか、文字通り始末に負えないんだそうですね。そりゃボムでも掻き消せないわけですよ。理屈じゃなく、ただ「苦しい」とか「悲しい」とか「辛い」とか「母親恋しい」とか「ひもじい」とかいう感情だけで迫ってくるそうです。■話は少し逸れますが、水子供養というのは割と近代(というか明治以降?もっと後か?)になってから誕生した風習というか信仰だそうですね。それまでは十分に成長しきっていなかった子供というのは人間とはみなされず、特に水子なんていうのは特段供養もされず死んでいったとか。■んで、この事を踏まえてにゃんにゃんを見ると、結構意味深ですな。パッと見、エグくてグロい元ネタのスペカを使ってくるわけですが、芳香ちゃんにいいこいいこしたり、柔軟体操すすめたりするような、優しげな一面もあるわけですよ。考えようによっては、そういった可愛そうな子供の霊を、敢えて使役している風にも見える。弔われず死んでいった子供達を憐み、邪法なれどもそういった子供達の霊を身傍に置いて飼い馴らす。上述の通り厄介な存在を使役するのですから、その力量の高さも間違いないのでしょうが。何処か鬼子母神にも似た母性を感ずるわけです。■……という事をつらつら考えるわけですが、よく考えたらこの人、芳香を盾に使ったりしてるんだよなぁ。■邪仙に身をやつした優しい道士様か、トンでもなく下衆な邪仙か、青娥娘々は見る人の数だけその姿を変えるのかもしれません。

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2012-02-07 02:35

 安芸


Comments (3)

安芸 2012-02-08 00:12

>小三元さん 確かに、価値観違うってのはあるかもしれませんが、却って情愛深そうではありますよね。 / >カキヤザクロさん 成程。情が薄いからじゃなく、ちょっとどうしようもない現実と何とか折り合いを付ける発想もあったんですねぇ。

カキヤザクロ 2012-02-07 15:57

七歳までは神の内といってコロコロ死んでた時代、転生を早めるためにあえて供養しないという発想もあったとか何とか

小三元 2012-02-07 13:56

死や痛みを軽視するだけで、愛情が無いわけじゃない...と思いたいです。

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