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土精に遭った

ある日、ハピとトトが森の中で食べ物を探して居ると、突然森の中にあった大きな蟻塚が無数の足を生やし、もぞもぞと動き出しました。驚いたハピとトトは集めかけた食べ物をほったらかして、後ろも見ずに一目散に逃げ帰りました。後で長老のエーカダンタさんにこの話をすると、エーカダンタさんは笑って言いました。
「ほっほっほ、それはヌーノ・サ・プンソと言う土の精じゃよ。お前さん達は知らない間に、ヌーノ・サ・プンソの通り道に踏み込んでおったのじゃ」
「通り道?」


ヌーノ・サ・プンソはフィリピンの神話に登場する土の精霊で、その名は直訳すると「塚の小鬼」と言う意味だそうです。蟻塚の傍を通った時に不意に具合が悪くなったり、足が酷く腫れあがったりするのはこの精霊が近寄った者を快く思っていない為だそうで、その為フィリピンの人々は蟻塚の傍を通る時には「Tabi-tabi po」(横を通らせて頂きます)と挨拶をしてから通るのだそうです。
ヌーノ・サ・プンソの話を知ったのはごく最近なのですが、素朴なその逸話に「いつか小蓬莱島の物語に組み込んでみたいなぁ」と思ってたところ、マイピクの蠱毒成長中さんから素敵なアイディアを頂き、自分の中で蠱毒さんのアイディアとこの土の精霊がひとつになりました。

2枚目はヌーノ・サ・プンソの全体図です。蟻塚に木の根のような足が無数に生えている感じで、体のあちこちに植物やハチの巣がぶら下がっています。

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2012-05-30 00:16

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