戦車第二師団・機動砲兵第二連隊 ルソン島(鉄獅子その10)

一式砲戦車はあらゆる連合軍戦車を撃破できる唯一の日本軍車両といわれたもので、チハ車の車体を改造し、75ミリ砲と簡単な装甲を取り付けたオープントップの砲戦車です。 この車両は船での輸送中に撃沈されるなどでなかなか戦場に届きませんでしたが、中国大陸、ビルマ、そしてフィリピンの戦場で実際に活躍しました。 昭和20年、アメリカ軍はかつて日本に追い出されたフィリピンillust/27972658へ再上陸してきました。フィリピン各地には日本戦車隊があり、ルソン島には戦車第2師団が配備されていました。その中に4両の一式砲戦車を持つ部隊があり、連日アメリカ軍を手こずらせました。各地にあらかじめ穴を掘って車体を隠し、アメリカ軍を砲撃したら反撃が来る前に別の穴に移動してまた砲撃という戦闘と、飛行機から轍が見えないように木を引きずって移動するという運用ぶりで、最後の一両が撃破されるまで半年もの間アメリカ軍を翻弄しました。 一式砲戦車は日本戦車の宿敵M4中戦車も正面500mの距離で撃破した記録が残されています。 なお、ルソン島の闘いは太平洋戦線最大規模の戦車戦といわれています。

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2012-07-28 22:24

 御nomichi


Comments (3)

御nomichi 2012-07-29 21:14

シュトルモビクさん、リンリンさん、ノモンハン事件以来のベテランの運用には戦後アメリカ軍も称賛したそうですが、日本の人々に知られないのはもったいない話だと思います。

リンリン 2012-07-29 21:00

'玉砕を禁ず'という本ではルソン島陸軍部隊の戦闘模様が語られています。残念ながら戦車部隊はあまり出てきませんが。

シュトルモビク 2012-07-29 11:44

制空権を完全に奪われた中での戦闘、粘りましたよねぇ。

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