【PFNW】一閃【原始の高原】

一瞬―――――目を疑った。
確かに、刃にその身をとらえた。そう、思った瞬間――――
右手の短刀の刃が、粉々に砕け散った。

「な………に……！？」

唐突に思い出す。この目の前の男が……かつての主と同じ血を持つこの男が得意とする、その力を。
肉体の鋼化―――――――
（そうか）
ぎり、と歯噛みをする。しかし、退く気はない。
（なんとか…体勢を立て直して）
だが。
次の瞬間、しゅっッ…という鋭い音とともに。
焼け付くような痛みが、左肘に走った。
「ぐ……あ………ッ！！」
気付けば、いつの間にか、左肘から激しく血が噴き出していた。
刃を握る手に、力が入らない。
（腱を……切られた…！？）

カルハダルは、冷たい汗がにじむのを感じた。
戦いを挑んだときから、死は覚悟の上だった。
だが。

（こうも……あっけねえもんか）

右手で、左肘の出血を押さえ、きつく唇を噛む。

今まさに、死は彼の目前にその暗い咢をぽっかりと開けていた。
脳裏に、氷狼兵団の仲間たちの顔がよぎる。
（すまん、皆。）
無念の思いが、胸中に去来する。
（俺は………………！）



3章最終日ですが、ボスそっちのけで俺的BOSS戦真っ最中！！です！！
こちらillust/35114353（SHIMAさま「破」）で喧嘩を買っていただき、さらに右手の短刀を破壊されてしまったので、その続きを。
無謀な挑戦の代償は高くついたようです。
甚内さん、お相手くださり本当にありがとうございました！！！嬉しすぎます！！

お借りしました！
黒鉄甚内さん・熾火さん・八郎丸さんillust/34203859

非公式ロゴ（是光さん作）illust/34119366
いつもありがとうございます。

カルハダルillust/34137241

氷狼兵団：illust/34119360

企画元様：「Pixiv Fantasia　New World」illust/33956297

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