レッドホーネット・アンド・カンパニー(？)

『ダブルクロスthe 3rd Edition リプレイ・メビウス』は、TRPGダブルクロスのリプレイ新シリーズ(2013年4月発売)。著者は中村やにお先生です（挿絵は白味噌先生）。■『力を使い過ぎると化け物になってしまうかもしれないけど、皆と自分の『日常』を守るため、ボクは戦いに身を投じる！』という、中二っぽいシリアス展開が基本ラインのダブルクロスですが、前作『アカデミア』シリーズではそこに『学園ハーレムモノ』というネタを投入して私たち読者を楽しませて下さったやにお先生、今作ではまた新たな趣向でもって参加プレイヤーとゲームを盛り上げ、その様子を私たち読者はまた楽しむことが出来ます。■その趣向の１つが『参加プレイヤーの配役』で、前作でもパンチの効いた天然ちっくな言動で笑いを誘った声優・佐藤有世さんを主役ポジションに据え、対照的にお話の先を見つつキャラを立てていかれていた声優・片岡あづささんも継続参加、そして本ゲームのデザイナー矢野俊策先生とTRPG界の大人気ライター田中天先生がベテランとしてがっちり脇を固めていらっしゃいます。このキャスティングが実に効果的に作用していたように思います。■未読の方にネタがばれると惜しいので詳細は書きませんけど、今作もまたたいへん堪能させていただきました。続きも楽しみです。■なお、TRPGをあまりご存じない方は、『プレイヤーたちはぶっつけ本番のアドリブ状態で発言している（GMは流石に事前にある程度の展開を想定して準備をしていますが）』ということをアタマの隅に置きつつお読みになられると、この本に限らず各種リプレイ本はいっそう楽しめるかと思います。