美味しいですね!

「空から降ってくるコレも、そこらじゅうを真っ白に埋め尽くしているアレもみ~んな『雪』なんですよね。」
栞はホットココアの入ったマグカップを両手で包み込むように持ち、ふーふー冷ましながら少しずつ飲んでいる。
「現物を見た感想はどう?」
「事前に説明を聞いていたので大体イメージ通りでしたけど、寒さは想像以上でした。」
「そうだね。僕も久しぶりでちょっと侮っていたかも。」
二人並んでウッドデッキから雪原を眺めているが、あと数分で凍ってしまいそうな位寒い。
「室内に戻らない?」
「この寒さも経験の内ですから、もうちょっとだけ。ホットココアの美味しさも、寒さで引き立ちますよ!」
夕映えの中、幸せそうにココアを飲む栞。ポケットに両手を突っ込みそれを眺める僕。

栞がマグカップの中身を飲み干した後、両手を僕に向かって伸ばし両頬を優しく包む。
「暖かいでしょ~?」
「うん、とても。」
ココアの熱を吸った彼女の両掌は、柔らかくすべすべで、凍えるような寒さを一時忘れさせてくれた。
「そろそろ戻りましょうか。寒さは十分堪能したので、今度は室内の暖かさを堪能しなくちゃ!」
彼女の笑顔も堪能したかった僕は、もちろん大賛成。

僕らは手をつないでウッドデッキを後にした。



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2013-12-05 00:36

 Stanly


Comments (4)

Stanly 2013-12-06 09:42

フィルディナンさん> 美少女が頬を朱く染めながらふーふーしているのを見ると、+アルファで美味しく感じます!

Stanly 2013-12-06 09:37

小黒さん> 常温で解けない雪があったら、さぞかし風情の無いものになるのでしょうね。

フィルディナン 2013-12-05 05:47

寒い場所で飲む温かい飲み物の美味しさは格別ですw

Xiaohei 2013-12-05 01:01

雪は解けちゃいますもんね。コップに落ちてきても。

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