短時間挑戦 1990

　＊さて、本日の短時間挑戦からバイクで御座います。
　御覧の通りバイクと言うには難しい、一輪車。
　とは申せ、商品として一輪バイクとして販売されるそうですので、バイクと言う事に。
　普段とはまるで違う部品構造や配置、そのバランス取りで骨を折り、お時間は31分と言う結果に。

　＊本日のバイクはRYNOモーターズ社のRYNOで御座います。
　御覧の通り一輪車で、電動モーター駆動式で御座います。
　まあ、流石にこの形状でエンジンでは危険で済む物では御座いませんからねぇ。

　以前はコンセプトバイクと言われておりましたが、2014年から量産され、市販されることが決定されております。

　緩衝材付きのシートとスチール製のフレーム。
　そして、強力LEDのライトを搭載。
　トルクなどは不明ですが、4.5時間の充電で16㎞の走行が可能なバッテリーを搭載。
　重量は72.5㎏で最大荷重は113.2㎏。
　最高速度は時速16㎞なのだそうです。

　ちなみに、セルフバランス機構を備えておりますので、1時間ほどで乗る事には慣れるのだそうです。

　その大きさ故に大型バッテリーは搭載できませんので航続距離と言うには剰りに短い距離。
　最高速度16キロで御座いますが、これはこれ以上の速度にしては危険だからで御座います。
　早くすることなど簡単で御座いますからねぇ。
　セルフバランスとは申せ、それはある程度しか働きません。
　発進時には後ろに体が置いて行かれ、停車時には慣性が働いて前のめりになる。
　これらを押さえるのがセルフバランス機構なのでしょうが、その制動性を上げれば今度は人体に多大な負荷が掛かってしまいます。
　緩やかで強力な物にすれば今度は停車時にブレーキを行っても数メートルは進みますし、発進時にも歩く方が早いほどゆったりとした発進になってしまいます。
　ですので、新しい考え方を持った機構でも発明しない限りはこの速度近辺しか出すに出せないと言うことで御座いますね。

　昔からSF作品や漫画等でお見かけしてきたこの1輪機構。
　夢があって面白みは御座いますが、積載能力の観点から見ても早さの面から見てもほぼ利点のない代物。
　危険を承知であれば旋回性能が最高と言った所でしょうか。
　取り敢えず、駐車スペースが兎に角小さくて済むという点以外では実用性はほぼ御座いませんねぇ。
　直進という意味では最低で2輪。
　安全性を考えれば最低でも3輪は必要になります。

　ですから、残酷ですが、あくまでも技術的なおもちゃ。
　大人の趣味の領域でしか御座いませんね。
　とは申せ、それで捨て置くには惜しい代物でも御座いますからねぇ。
　剰りに難しい立ち位置の、それで居て夢のある乗り物で御座います。

　お値段は不明ですが、新し物好きや好奇心旺盛な海外の好事家からは人気が出るのではないでしょうか。
　この儘火が消えるのではなく、何時の世にも趣味の世界とは申せ、残り続けて欲しい物で御座います。

　＊本日の搭乗者さんはやはりテクノロジーの塊で御座いますのでカッパさんで御座います。
　子供型妖怪の方々や、その妖怪の保護者の方々から売って欲しいとの要望は相次いでおりますが、速度と安全面で実用化にはカッパさんを持って難しい代物。
　燃料だけは魔力や妖力と言った幻想郷仕様で幾らでも小型化は出来ても、それだけ。
　無茶をしたがる面々しか居ない幻想郷では速度が足りません。
　インホイールモーターだけではなく、インホイールに座席すら設置する大型化を行えば幾らでも早くできるのですが、上に乗る形ですので難しさははかり知れません。
　ですが、だからこそ頭を悩ませる技術的楽しみが尽きず、一族総出で首を傾げてその試行錯誤を愉しむのでした。