【PRH】 影の守人

互いの憎悪に終止符を打ち、その大きな闘いは終わった。
セーゲルが平穏を取り戻し、戦争の傷を癒すその陰に彼は居た。

名は、ジェイク・オリバー。またの名を霧影織刃。

機械と人の共存を模索する世界で、彼は闇にて世界を守り続けた。
繁栄を取り戻しつつある機械王国ティアにて、大陸統一を唱える過激な夢想家達を
その首魁ごと歴史の闇へと葬り、その後もティア或いはセーゲルに潜む危機を
誰に知られる事も無く闇の内へと葬り去った。

だが彼は最後まで英雄として語られる事は無かった。
影に生きる者は、最後まで影から世界の守人として居続けた。

彼は語られなかった英雄。
影に生きる守人。

戦争が終わり、多くの年月が経た頃――

彼は機人一刀流・織刃刀戦礼法を完成させ、
その技を後世に伝えた。

しかし、老いた彼の死を見た者は何処にもいなかったという。