【PFFK】覇気と感情【騎馬民族の依頼・黄】

紅と蒼を帯びた一対の石。

紅は、所持者の声に覇気を与え、代償に持ち続ければ感情が徐々に失われる。
蒼は、持ち主に豊かな感性を与える代わりに、その声は信頼を得ない。

エルランディアで算出するある稀少な鉱石を薬液で煮込むことで得られるが、効果故か、その製法は公には伝わっていない。
効力が「声」に関わることもあり、粉末を飲む者もいたようだが、効果も薄く体外に排出されれば切れるうえに健康にはあまり良くない。

難も多いが、為政者や画家に求める者もいるらしい。

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「貴重な石なら、これなんてどうかな」
そう少女が取り出したのは、掌ほどの大きさのふたつの小石だった。何処で手に入れた、と訊かれると、あっけらかんと笑う。
「これね、自分のおにいちゃ――むぐ」
「こいつの師匠が持っていたものだ、こいつには使えないから要るなら遠慮なく持って行け」
使い魔らしき顔の生えた砂時計がその身体で口を塞いで、言葉を引き継ぐ。

どうやら秘密があるらしい二人組だが、石を渡すことには異論はないらしい。

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もがもがしている少女【illust/42107530】