北海の堕天使

■「艦これ」を始めてから今までやってきて、ようやく気づいたことがひとつございます。
自分が若く青臭さ全開だった昔に軍艦を描くことに関しては逸品の腕を持った、人間的にも素晴らしい方であった作家さんに出会っていたこと　その出会いをみすみす今日まで無駄にしてしまっていたこと　そしてそれに気づくのがあまりにも遅すぎた　ということです。

■細かいことや経緯は失念しましたが、飯島祐輔先生とお会いしたのはちょうど２０年前のことでした。
当時の私は航空機には多少の興味と知識はあったものの艦船に関しては大和と武蔵ぐらいしか知らない　架空戦記なんてジャンルも初耳クラス　後は頭の中は阪神タイガースのことだけで絵に関してはシロウトに毛が生えた程度の糞生意気でボンクラな青年でした。
それがどういうことか先生の漫画の手伝いを数日ばかりやることになりまして…ただアシスタントというにはあまりにもアレな仕事っぷりで実際タダ飯ご馳走になりに行ったようなものでしたが。　手伝った作品に関しても何が何やらだったんですが、手元にある「北海の堕天使」という単行本にイラスト入りのサインがあることでかろうじてそれに関わったことがわかります。

■当時は読んでいても何が面白いのかだったんですけども、艦これを通して多少軍艦や海戦の知識が付いた現在になって読み返してみると・・・
作画の技術的なことは勿論、人生について、作家として活動するための心構えとか飯島先生からかなり学ぶべきことが多かったと思いますし、その環境に恵まれてたはずなのですが当時の若さゆえの無知さや視野の狭さでそれに気づくことなく機会をフイにしたことが悔やまれます　そして、あまりにも　あまりにもそれに気づくのが遅すぎました。

■３月２６日の今日　私は〇〇回目の誕生日を迎えました
技術は勿論人間的にも何もかも先生を超えるどころか足元にも及ばないままお会いしたあの当時の先生の年齢を何年も超えてしまいました　先生のような緻密な軍艦や読みやすく面白い作品は描けずともせめて生意気な若造を笑顔で見守ってやれるいい大人になりたかったですね。

本当にありがとうございました。