【PFFK】千切れた手綱
今日は朝早く青銀平野周辺を見て回った。
戦場が近く昨日まではこの辺りも随分騒がしかったが、夜のうちに移動したようだ。所々くすぶる煙が今も遠くに見える。
ふと真下を見下ろすと、騎獣が居た。
急いで地上に降り駆け寄ると、僕を見た騎獣は低く唸り声を上げる。
角がまだあんなに小さい、若い騎獣だ。…おそらく戦場に出るのも初めてだったろう。
乗り手の姿はもうどこにもない。
僕はゆっくり彼に近づいて声をかけた、できるだけ優しい声で。
「大丈夫だよ、僕はおまえの主人の敵じゃない」
彼は血だまりの中に伏せたまま、もう身動きすら取れないようだ。
それでも強い意志が宿った目で僕をじっと睨む。
「…怖かったろうに、よく頑張ったね。一生懸命に守ったんだね。…大丈夫、きっとお前の主人は無事だよ。」
おそらくは無事だろう、動けなくなった騎獣を乗り捨てて退却した乗り手のことなど知ったことではないが。
けれど、彼にとっては大好きな人だったのだろう。
騎獣は一途だ。人間同士の自分勝手な争いに巻き込んでいるというのに、人間のために命をかけて尽くしてくれる、たとえ戦場で見捨てられようとも。
僕はそっと彼の額を撫でた。
彼はゆっくりと息を吐き、目を閉じた。
ユーク・レイユ(illust/42350216) 相棒のフラティル(illust/41985596)
傷ついた騎獣の詳細はこちら→(illust/42850582)
企画主様【illust/41854317】
戦場が近く昨日まではこの辺りも随分騒がしかったが、夜のうちに移動したようだ。所々くすぶる煙が今も遠くに見える。
ふと真下を見下ろすと、騎獣が居た。
急いで地上に降り駆け寄ると、僕を見た騎獣は低く唸り声を上げる。
角がまだあんなに小さい、若い騎獣だ。…おそらく戦場に出るのも初めてだったろう。
乗り手の姿はもうどこにもない。
僕はゆっくり彼に近づいて声をかけた、できるだけ優しい声で。
「大丈夫だよ、僕はおまえの主人の敵じゃない」
彼は血だまりの中に伏せたまま、もう身動きすら取れないようだ。
それでも強い意志が宿った目で僕をじっと睨む。
「…怖かったろうに、よく頑張ったね。一生懸命に守ったんだね。…大丈夫、きっとお前の主人は無事だよ。」
おそらくは無事だろう、動けなくなった騎獣を乗り捨てて退却した乗り手のことなど知ったことではないが。
けれど、彼にとっては大好きな人だったのだろう。
騎獣は一途だ。人間同士の自分勝手な争いに巻き込んでいるというのに、人間のために命をかけて尽くしてくれる、たとえ戦場で見捨てられようとも。
僕はそっと彼の額を撫でた。
彼はゆっくりと息を吐き、目を閉じた。
ユーク・レイユ(illust/42350216) 相棒のフラティル(illust/41985596)
傷ついた騎獣の詳細はこちら→(illust/42850582)
企画主様【illust/41854317】
pixivファンタジアFK
pixiv Fantasia: Fallen Kings
赤鎌城炎上【青】
akagamajouennjou
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2014-04-03 04:21
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