明くる日のジョアン
あくる朝、ジョアンは街の中心地にいた。今日も相変わらずの曇天。街の雰囲気も、心なしか曇っているように思える。この街は、ブラッドベリという一家が長年収めてきたことで知られている。善政で知られるブラッドベリ家だったが、一年前、長年街を収めてきた領主を失ったばかりだった。前領主は男の世継ぎを持たなかったため、現在はエリスという、まだ若い長女がその任についていた。人々の不安に反し彼女は街をよく収めていたが、その母体となる王国自体が揺れ動いているこの時世。ブラッドベリ家の転覆を企む勢力の噂は絶えなかった。
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2014-04-14 22:01
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