【Q53】旋律は星に乗って
ヒトは臆病な生き物。
それは何度世界が巡ろうとも、リリンたちの変わることのない本質。
揺らめく君の心のA.Tフィールドもまた、そっと指先で触れれば、蒼い漣のように壁を作る。
その君の、傷ついた心を癒してあげたい。
触れる手のひらに偽りのない想いを込め、すぐ隣…不思議そうに僕を見つめるシンジ君に微笑み掛ける。
「あ、の…、渚…君?」
「僕も碇君と一緒に、聴いても良いかい?」
「え…?」
シンジ君の答えを待たず、僕は彼の白い指に収まっていたイヤフォンの片割れをひょいと摘み上げる。
驚いた顔する彼に悪戯っぽく片目を閉じてみると、直ぐに甘い笑顔が返ってきた。
「一人より、二人が良いよ」
一つのイヤフォンで、二人を繋げて。
流れるリリンの旋律を、二人きりの空間で共有する。
今僕は、恋い焦がれた君と間違いなく繋がっているんだね?
そうその幸せに微笑んで…そっとシンジ君の右手に己の手のひらを重ねると。
微かな音を立てて彼のA.Tフィールドの壁が溶け…、暗闇にキラキラと星の雨を降らす。
「楽しいね、二人は」
一番星よりも光り輝く瞳が、直ぐ僕の手の中に。
今度こそ僕は、…愛しい君を、この繋いだ手から離さないから。
それは何度世界が巡ろうとも、リリンたちの変わることのない本質。
揺らめく君の心のA.Tフィールドもまた、そっと指先で触れれば、蒼い漣のように壁を作る。
その君の、傷ついた心を癒してあげたい。
触れる手のひらに偽りのない想いを込め、すぐ隣…不思議そうに僕を見つめるシンジ君に微笑み掛ける。
「あ、の…、渚…君?」
「僕も碇君と一緒に、聴いても良いかい?」
「え…?」
シンジ君の答えを待たず、僕は彼の白い指に収まっていたイヤフォンの片割れをひょいと摘み上げる。
驚いた顔する彼に悪戯っぽく片目を閉じてみると、直ぐに甘い笑顔が返ってきた。
「一人より、二人が良いよ」
一つのイヤフォンで、二人を繋げて。
流れるリリンの旋律を、二人きりの空間で共有する。
今僕は、恋い焦がれた君と間違いなく繋がっているんだね?
そうその幸せに微笑んで…そっとシンジ君の右手に己の手のひらを重ねると。
微かな音を立てて彼のA.Tフィールドの壁が溶け…、暗闇にキラキラと星の雨を降らす。
「楽しいね、二人は」
一番星よりも光り輝く瞳が、直ぐ僕の手の中に。
今度こそ僕は、…愛しい君を、この繋いだ手から離さないから。
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2014-04-20 17:35
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