【天秤】

憎んできました
愛していました
恨んでいました

憧れに胸は爛れています

それでも

離れれば侘しく またいつかは
離れると約束された 温もりを
指で追い求めるのでした

手繰りよせながら

やがて人が

自分の元へ下ってくるのを
ただ待っていました

迎え入れた者を
新たに送りだすため
天秤を傾け続けるのです

終える者が迷わずに
新たな道を始められるように

終えた者が向かえる
本当の最期のとき
向けられる目線が負から
産まれたものでないように…

…静と …静と 

-――――――――――― …"死神"

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2014-04-24 23:54

 A.


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