カノン殉職

 よもや感じる作業に疲れ切っていた。彼(?)は目を閉じた。じぶん自身の中に川のせせらぎが聞こえる。その時初めて彼(?)は、考えなくとも、ものは実存しているのだと気付いたのだった。彼(?)は、久々に退屈しようと思った。退屈こそが人生の一番の幸せと心得ていた。何もせず、ただ流れゆく空だけを見つめて……。
6
3
496
2009-05-27 06:10

 李逆りぐ


Comments (0)

No comments

Related works