空自版『インデペンデス・デイ』 第2弾

―日本標準時06:00(グリニッジ標準時21:00)
 航空自衛隊、在日米軍合同部隊による異星人の宇宙船“シティ・デストロイヤー”への反撃作戦。
 北からは航空自衛隊千歳基地を離陸した航空自衛隊第2、3航空団、米空軍代35航空団の残存戦力。南からは練習機でもあるT-2を含む空自残存兵力と米空軍、海兵隊の合同部隊が日本列島を北上していた。その中には……。

 偵察航空隊第501飛行隊所属、RF-4EJ。
 定期整備のため三菱重工に飛来したものの、この宇宙人襲来の影響で整備作業は当然中止、受け取りに来ていた航空自衛隊パイロットはそのまま工場に足止めされていた。なんとか原隊復帰を望んだものの、宇宙人の攻撃により航空自衛隊総隊司令部は全滅、一縷の望みをかけてRF-4EJは飛行開発実験団の所属する岐阜基地へ移動した。
 最終反撃作戦が計画され、最新機材の揃った飛行開発実験団機と“お客様”であるRF-4EJは、テスト用の機材などを含めた兵装を整え西日本部隊とともに作戦に参加することが決定された。
「ロミオ。9時方向、5空団のファントム隊だ」
 RF-4EJ、第347号機の後席に乗った島津幸穂1等空尉(TACネーム・シマ)が、前席のパイロットに呼びかけた。
「あぁ、見えた。やっぱり数が少ないな……」
 前席パイロットの関浩巳1等空尉(TACネーム・ロミオ)が応えた。
「俺が言うのもの変だけど、これから宇宙人に攻撃を仕掛けようというのに、こんな古い機体でガンバロウなんてな」
「なんだよ、いつもなら“低空を突っ切りゃなんとかなる”とか言ってるくせに怖いのか? 今日はミサイル8発も積んでるんだろ」
 確かに普段なら偵察ポッドを搭載しているのがRF-4EJだ。せいぜいが自衛用のAIM-9を2発程度、そして電子戦ポッドを搭載するのが普通だ。
「そうは言っても、TAC部隊でミサイルを試射した数なんて、今日搭載しているミサイルの数もないぞ」
「それを言うなら、ロミオ、俺なんてRFのナビゲーターだから試射そのものが無いよ」
「それもそうか。まぁ、松島のT-2部隊が先陣を切ってくれる。俺たちは……」
「低空を突っ切って急上昇、本体に攻撃を掛ける、だろ?」関の言葉を引き継いで島津が言う。
「そう。さすが解ってるね相棒」
 関が声を弾ませて言う。周囲にはF-15、F-4、そして同じく岐阜を発進したXF-2の姿があった。敵の防衛線は近い。
 戦闘機部隊が高度を上げていく中、RF-4EJだけは徐々に高度を下げていった。
『単独・非武装・恐れず』
 偵察機乗りがいつも思い浮かべている言葉だが、今日はその最後だけを信じることにしよう。

 という妄想、再び!(笑) 今年(2014年)久しぶりにコミケに当選したので……。

●前回の妄想
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2014-07-12 12:31

 垂飛辺 良


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