怪人赤マントちゃんの冒険!(5)
突如現れた中学生くらいの女の子に危ないところを助けてもらった赤マントちゃん達は、お礼に梅屋のシュークリームをご馳走してあげることにしました。
メリー「はい、好きなだけ食べてくださいね」
??「おお!! いただきますでおじゃるっ!!」
ひとり「きゃははっ! おじゃるーっ!」
笑っているひとりちゃんの横で、女の子はぱくぱくはむはむと、山のように積まれたシュークリームを次々平らげていきます。
その食欲たるや、まるで「シュークリームは飲み物」と言わんばかりです。
女の子のお腹が重くなるたび、赤マントちゃん達の財布はどんどん軽くなっていきます。
??「ふぅ、すっかり馳走になったな。連れとはぐれた時はどうしようかと思ったが、こうして念願のしゅーくりーむを腹いっぱい食べることができたでおじゃる」
メリー「あら、一緒に来た人とはぐれてしまいましたのね」
??「申し遅れたな。じろの名前は『閻魔次郎(えんま・じろ)』。閻魔大王の次男坊じゃ」
赤マント「え、閻魔大王ですって!?」
閻魔大王とは誰もが知る地獄の支配者のことで、強大な力で悪人を厳しく取り締まると言います。
なるほど、それならあの怪力も納得です。
でも、その閻魔大王の息子がなぜこのようなところに……いや、そもそも、なぜ「次男」なのに女の子の格好をしているのでしょうか?
次郎「じろは父上から『悪い都市伝説をこらしめよ』との勅命を受け、旅をしておっての。今回もこの北海道に『十二神将』と呼ばれる悪党共が出没しておると聞き、退治しに来たのじゃ」
赤マント&メリー「「ぎくっ」」
ひとり「きゃはっ、おっかしー! 十二神将ってあたし達のこと――もがっ」
メリー「しーっ!! ひとりちゃんしーっ!!」
慌ててひとりちゃんの口を塞ぐメリーちゃんの横で、赤マントちゃんはわなわなと震えます。
一難去っては一難とはこのことですね。
自分達が次郎君の探している十二神将だとバレたら、あの怪力で三人ともおにぎりのように丸められてしまいます。
なんとかこの場をしのがなくてはいけません。
赤マント「……なるほど、よくわかりました。つまりあなたは、正義の味方というわけですね」
次郎「せいぎのみかた……ん~、いい響きじゃな。いかにもいかにも」
赤マント「なんと奇遇な! 実は私達も、悪いアヤカシを退治する旅をしている最中なのです!」
メリー「お姉様、一体なにを……?」
言葉を赤マントちゃんは続けます。
赤マント「実は最近『桜木花子(さくらぎ・はなこ)』という少女のアヤカシがこの辺一体を荒らしまわっていまして」
次郎「ほう」
赤マント「とても凶悪なやつで、食い逃げはするわカツアゲはするわ、夜になるとトイレの中でロック系の音楽を鳴らして近所の住人に迷惑をかけるわ……噂によると、郵便ポストが赤いのも電信柱が高いのもやつの仕業だとか」
次郎「うーん。それはとんでもないやつでおじゃるな」
赤マント「やつの居所はわかっているのですが、私達は別のアヤカシを退治する使命がありまして……丁度あなたのような同士を探していたのですよ」
次郎「あいわかった。その花子とやらは、じろに任せるでおじゃる」
赤マント「おおっ!! それではよろしく頼みますね!!」
なんと赤マントちゃん、次郎君をうまく丸め込んでしまいました。
次郎君は赤マントちゃんから花子さんのいる場所を教えてもらい「お互いにがんばろうの」と言って去っていきました。
赤マント「フフフ、これが十二神将の頭脳と呼ばれし私の知略です」
メリー「こんなことして、あとで次郎さんと花子さんの両方から報復されないかしら……」
自慢げにドヤ顔をする赤マントちゃんの横で、メリーさんは呆れ顔をします。
そんなこともあり、赤マントちゃん一行はカムイコタンに向かうため、バスに乗りこみました。
そう。
メリー「このままバスに乗って30分もすれば、いよいよカムイコタンですか」
赤マント「ええ、そうです。私が元のジェントルマンに戻る日も、近いということですよ。ハーッハッハッハ」
カムイコタンとは全然別方向の、旭山動物園行きのバスに。
メリー「はい、好きなだけ食べてくださいね」
??「おお!! いただきますでおじゃるっ!!」
ひとり「きゃははっ! おじゃるーっ!」
笑っているひとりちゃんの横で、女の子はぱくぱくはむはむと、山のように積まれたシュークリームを次々平らげていきます。
その食欲たるや、まるで「シュークリームは飲み物」と言わんばかりです。
女の子のお腹が重くなるたび、赤マントちゃん達の財布はどんどん軽くなっていきます。
??「ふぅ、すっかり馳走になったな。連れとはぐれた時はどうしようかと思ったが、こうして念願のしゅーくりーむを腹いっぱい食べることができたでおじゃる」
メリー「あら、一緒に来た人とはぐれてしまいましたのね」
??「申し遅れたな。じろの名前は『閻魔次郎(えんま・じろ)』。閻魔大王の次男坊じゃ」
赤マント「え、閻魔大王ですって!?」
閻魔大王とは誰もが知る地獄の支配者のことで、強大な力で悪人を厳しく取り締まると言います。
なるほど、それならあの怪力も納得です。
でも、その閻魔大王の息子がなぜこのようなところに……いや、そもそも、なぜ「次男」なのに女の子の格好をしているのでしょうか?
次郎「じろは父上から『悪い都市伝説をこらしめよ』との勅命を受け、旅をしておっての。今回もこの北海道に『十二神将』と呼ばれる悪党共が出没しておると聞き、退治しに来たのじゃ」
赤マント&メリー「「ぎくっ」」
ひとり「きゃはっ、おっかしー! 十二神将ってあたし達のこと――もがっ」
メリー「しーっ!! ひとりちゃんしーっ!!」
慌ててひとりちゃんの口を塞ぐメリーちゃんの横で、赤マントちゃんはわなわなと震えます。
一難去っては一難とはこのことですね。
自分達が次郎君の探している十二神将だとバレたら、あの怪力で三人ともおにぎりのように丸められてしまいます。
なんとかこの場をしのがなくてはいけません。
赤マント「……なるほど、よくわかりました。つまりあなたは、正義の味方というわけですね」
次郎「せいぎのみかた……ん~、いい響きじゃな。いかにもいかにも」
赤マント「なんと奇遇な! 実は私達も、悪いアヤカシを退治する旅をしている最中なのです!」
メリー「お姉様、一体なにを……?」
言葉を赤マントちゃんは続けます。
赤マント「実は最近『桜木花子(さくらぎ・はなこ)』という少女のアヤカシがこの辺一体を荒らしまわっていまして」
次郎「ほう」
赤マント「とても凶悪なやつで、食い逃げはするわカツアゲはするわ、夜になるとトイレの中でロック系の音楽を鳴らして近所の住人に迷惑をかけるわ……噂によると、郵便ポストが赤いのも電信柱が高いのもやつの仕業だとか」
次郎「うーん。それはとんでもないやつでおじゃるな」
赤マント「やつの居所はわかっているのですが、私達は別のアヤカシを退治する使命がありまして……丁度あなたのような同士を探していたのですよ」
次郎「あいわかった。その花子とやらは、じろに任せるでおじゃる」
赤マント「おおっ!! それではよろしく頼みますね!!」
なんと赤マントちゃん、次郎君をうまく丸め込んでしまいました。
次郎君は赤マントちゃんから花子さんのいる場所を教えてもらい「お互いにがんばろうの」と言って去っていきました。
赤マント「フフフ、これが十二神将の頭脳と呼ばれし私の知略です」
メリー「こんなことして、あとで次郎さんと花子さんの両方から報復されないかしら……」
自慢げにドヤ顔をする赤マントちゃんの横で、メリーさんは呆れ顔をします。
そんなこともあり、赤マントちゃん一行はカムイコタンに向かうため、バスに乗りこみました。
そう。
メリー「このままバスに乗って30分もすれば、いよいよカムイコタンですか」
赤マント「ええ、そうです。私が元のジェントルマンに戻る日も、近いということですよ。ハーッハッハッハ」
カムイコタンとは全然別方向の、旭山動物園行きのバスに。
8
3
1092
2014-07-22 19:01
Comments (16)
まさかの花子ちゃんが悪役に!?赤マントちゃんの巧みな話術に次郎もすっかり騙されてますね。頑張れ花子ちゃん!
View Replies男の娘とは、やったぜ。(ショタコン並みの感想) この姿だと余計悪い虫さんにprprされそうなんだよなあ・・・
View Replies駅前から40番台に乗っちまったかw (バスタッチからなのか旧アサヒビル前からなのかはご想像におまかせ?) 市内なのに都市間バスでしか行けない場所、それが神居古潭(´・ω・`)
View Repliesラスト、目出度くジェントルマンに戻った赤マントの前に次郎と桜子が並んでいないか心配それにしても、財布が軽くなっても、インゴッド強奪や幼稚園バスジャックに走らない赤マントトリオに、悪役らしからぬ人の良さを感じます。
View Replies桜子ちゃんさん・・・・そんな人だったんですね・・・あ、ひとりちゃん言っちゃ駄目ですよー
View RepliesShow More