【00課】あの人【あなたのことをきかせて】
霊障「あなたのことをきかせて」【illust/45249655】の三井笹さんがぐいぐい話を聞きにきて。
あと思った異常に空中に浮かせてておわあああ高い!
前回のネバーエンド【illust/45754755】でちらっと出た出勤中のお話。
午前中は休みだったから午後出勤だったとかじゃないかな!?警察そういうのあるの!?もしもの時はパラレルだ!!!
漫画が前置き、キャプションの後の部分が長い本文です。
問題等ございましたらご連絡下さい。
以下、安房崎野ばら【illust/44657974】の長いお話です。
———————————————————————
全くわがままだなぁ最近の幽霊は。話、話かぁー。んーじゃあ警察を目指すきっかけになった話かなぁ。長い話になるけどいいの?…はいはいわかった話すって。
あれは私が10才の時かな、いつの間にか鬼に憑依されて霊障事件を起こしたの。鬼は『千里眼』っていって千里先を見通す力、どんなものの過去も見ることができる力と、それを他人に見せることのできる力を持ってたの。その力で目があった人あった人にトラウマや嫌な記憶を見せ続けるように仕組んだり、目があった場所で起こった事故を何度も何度も見させて目に焼き付けさせたり追体験させたりしたらしいの。そうすることで人の心を憔悴させて、マインドコントロールに近いことまでしたんだ。あたしも憑依されてる間意識だけはあったからそれを全部見てて…小さい子どもが見るにはショッキングなものも多かったし、心はどんどん削られていったよ。
警察も動いたけど事件は難航。その裏で警察の中にいた一部の霊能者があたしを、『千里眼』を見つけたんだ。あたしはすぐにその人に捉えられて、今住んでいるお寺で『千里眼』を右目に封印するように施された。…なんで除霊や消滅じゃなくて封印か?それがねー『千里眼』があたしの体に完全に憑依していて引き剥がせなかったらしいの。だから体の中で特に力の集中していた目に『千里眼』を直接封印するしかなかったそうだよ。
そんなわけでさ、あたしはその人たちのおかげで戻ることができたわけだけど、心はボロボロなままで抜け殻みたいになってた。心が隙だらけな状態だと普通に家に返したり精神病院に送ったりしても弱った心につけ込んで『千里眼』が封印を破ってくる可能性もあったし別の悪霊に襲われる危険性があるってことで、あたしは保護観察の意味も含めてお寺に引き取られたの。抜け殻状態のあたしに家族はもちろん寺の住職や僧侶も霊能者の刑事さんも元に戻るようにと尽力してくれたよ。おかげで少しずつ回復はしていったけど、被害者の人たちの姿が脳裏に焼き付いて前を向く事ができなかった。
1年くらい経った時かな。住んでいたお寺に強い悪霊が現れたの。その日は住み込みの霊媒師や陰陽師が外に出てて、悪霊を祓うことのできる人が住職しかいなかった。住職は他の人が帰ってくるまで悪霊を押さえ込んでたんだけど、一瞬の隙をつかれて寺の中に侵入された。悪霊の狙いは『千里眼』のものも合わさって莫大な霊力を所持していたあたしだった。あたしはすぐに捕まってそれを助けようとした住職は血を流してほとんど動けなくされた。絶望だったよ。自分がここに居たせいでこうなったんだって。自分なんて死んでしまった方がよかったんじゃないかって。本気でそう思ったよ。けどそこにあの霊能者の刑事さんが駆けつけたんだ。あの人はあたしをあっという間に救い出して悪霊を消滅させて、住職を病院に急いで運んでくれた。
住職が治療してる間あたしはずっと謝罪を口にしてたんだけど、あの人はそれを笑い飛ばしたの。「君の存在を否定するやつなんてどこにもいない。例え『千里眼』を悪者にできても、それを封印されてる『君』を悪者にできるやつなんていない」「君が無事で住職も喜んでんだから、君はお礼を言う練習だけすればいい」って。その後あの人の言ったとおり住職は病院のベッドに横になりながらも私の姿を見ると安心してよかったって喜んでね、あたしは泣きながらずっとありがとうございますって言い続けたよ。
あれから、少しずつ独りで立てるようになって、一歩ずつ前を向いて歩けるようになった。それから段々将来のことを考えるようになって、あの刑事さんみたいに強くなりたいと思った。あたしと同じように力を持ったせいで苦しんでる人を助けたい。あの時のような悪霊に対抗できる力が欲しいって。
そうやって憧れの人を追いかけ始めたのが、警察を目指すきっかけ。
…刑事さんの今?やっぱ気になるよねーそれは。
殉職したよ、あたしが警察に入る直前に。あたしの時みたいに子どもを助けてその直後に亡くなったって。
あーもう!暗くならないで!あの人が助けなければ子どもは助からなかったしその子どもはちゃんと助かって今も元気だし!あの人もきっと喜んでるはずだよ。そういう人だったからね。
あと思った異常に空中に浮かせてておわあああ高い!
前回のネバーエンド【illust/45754755】でちらっと出た出勤中のお話。
午前中は休みだったから午後出勤だったとかじゃないかな!?警察そういうのあるの!?もしもの時はパラレルだ!!!
漫画が前置き、キャプションの後の部分が長い本文です。
問題等ございましたらご連絡下さい。
以下、安房崎野ばら【illust/44657974】の長いお話です。
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全くわがままだなぁ最近の幽霊は。話、話かぁー。んーじゃあ警察を目指すきっかけになった話かなぁ。長い話になるけどいいの?…はいはいわかった話すって。
あれは私が10才の時かな、いつの間にか鬼に憑依されて霊障事件を起こしたの。鬼は『千里眼』っていって千里先を見通す力、どんなものの過去も見ることができる力と、それを他人に見せることのできる力を持ってたの。その力で目があった人あった人にトラウマや嫌な記憶を見せ続けるように仕組んだり、目があった場所で起こった事故を何度も何度も見させて目に焼き付けさせたり追体験させたりしたらしいの。そうすることで人の心を憔悴させて、マインドコントロールに近いことまでしたんだ。あたしも憑依されてる間意識だけはあったからそれを全部見てて…小さい子どもが見るにはショッキングなものも多かったし、心はどんどん削られていったよ。
警察も動いたけど事件は難航。その裏で警察の中にいた一部の霊能者があたしを、『千里眼』を見つけたんだ。あたしはすぐにその人に捉えられて、今住んでいるお寺で『千里眼』を右目に封印するように施された。…なんで除霊や消滅じゃなくて封印か?それがねー『千里眼』があたしの体に完全に憑依していて引き剥がせなかったらしいの。だから体の中で特に力の集中していた目に『千里眼』を直接封印するしかなかったそうだよ。
そんなわけでさ、あたしはその人たちのおかげで戻ることができたわけだけど、心はボロボロなままで抜け殻みたいになってた。心が隙だらけな状態だと普通に家に返したり精神病院に送ったりしても弱った心につけ込んで『千里眼』が封印を破ってくる可能性もあったし別の悪霊に襲われる危険性があるってことで、あたしは保護観察の意味も含めてお寺に引き取られたの。抜け殻状態のあたしに家族はもちろん寺の住職や僧侶も霊能者の刑事さんも元に戻るようにと尽力してくれたよ。おかげで少しずつ回復はしていったけど、被害者の人たちの姿が脳裏に焼き付いて前を向く事ができなかった。
1年くらい経った時かな。住んでいたお寺に強い悪霊が現れたの。その日は住み込みの霊媒師や陰陽師が外に出てて、悪霊を祓うことのできる人が住職しかいなかった。住職は他の人が帰ってくるまで悪霊を押さえ込んでたんだけど、一瞬の隙をつかれて寺の中に侵入された。悪霊の狙いは『千里眼』のものも合わさって莫大な霊力を所持していたあたしだった。あたしはすぐに捕まってそれを助けようとした住職は血を流してほとんど動けなくされた。絶望だったよ。自分がここに居たせいでこうなったんだって。自分なんて死んでしまった方がよかったんじゃないかって。本気でそう思ったよ。けどそこにあの霊能者の刑事さんが駆けつけたんだ。あの人はあたしをあっという間に救い出して悪霊を消滅させて、住職を病院に急いで運んでくれた。
住職が治療してる間あたしはずっと謝罪を口にしてたんだけど、あの人はそれを笑い飛ばしたの。「君の存在を否定するやつなんてどこにもいない。例え『千里眼』を悪者にできても、それを封印されてる『君』を悪者にできるやつなんていない」「君が無事で住職も喜んでんだから、君はお礼を言う練習だけすればいい」って。その後あの人の言ったとおり住職は病院のベッドに横になりながらも私の姿を見ると安心してよかったって喜んでね、あたしは泣きながらずっとありがとうございますって言い続けたよ。
あれから、少しずつ独りで立てるようになって、一歩ずつ前を向いて歩けるようになった。それから段々将来のことを考えるようになって、あの刑事さんみたいに強くなりたいと思った。あたしと同じように力を持ったせいで苦しんでる人を助けたい。あの時のような悪霊に対抗できる力が欲しいって。
そうやって憧れの人を追いかけ始めたのが、警察を目指すきっかけ。
…刑事さんの今?やっぱ気になるよねーそれは。
殉職したよ、あたしが警察に入る直前に。あたしの時みたいに子どもを助けてその直後に亡くなったって。
あーもう!暗くならないで!あの人が助けなければ子どもは助からなかったしその子どもはちゃんと助かって今も元気だし!あの人もきっと喜んでるはずだよ。そういう人だったからね。
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2014-09-08 01:31
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