葬/執
イーヴィルさんからのリクエストで、『眠りを誘う異次元人セフィロス 現る』のその後の話です。
■■エアチェ管理簡易霊園■■
目の前の墓石に目を向ける。
この墓石の下に焼かれ灰になり、直径30cm高さ45cmの円柱状のカプセルに収められたセフィロスが眠っている。
「今度は助けられた。そう思ったんだけどね」
あぁ、そうだ、今度は助けられた。でもそのあとが想定外だった。
そして、セフィロスは死んだ。
「セフィロスの生死に意味はあったのかな?」
誰も答えない。
一緒に戦ってくれたエグラーフも、葬儀を進めてくれたエアチェも、墓に名を彫ってくれたスパルテも、わたしを治療してくれたホオズキも、誰も答えない。
みんな答えは出ているのはわかる、だから誰も答えない。
みんな同じ答え。
もしかしたら、ホオズキは違う答えかもしれないけど。
でも、それに対するそれぞれの思いはバラバラだと思う。
「なんで、泣けないんだろう?」
痛いほどの喪失感はあるのに涙が流れない。
「…何故、あそこまでしてセフィロスに意思を持たせようとした?」
エグラーフがわたしに声をかけてきた。
「愛してるから……」
そう言った瞬間、カキの顔が脳裏をよぎる……わたし…罪悪感を感じてるのかな……?
「……わたしと同じだったから」
…もしかするとこっちが理由としては大きいかもしれない。
「お前と?」
頷き、言葉を返す。
「わたしも物、商品だったから。だから、セフィロスにも人形から人になって欲しかった」
わたしも人になれたかは少し微妙だけど。
「そうか」
そう言い、またエグラーフは口を開いた。
「…なぁ、お前はあの時、最後になにを食べさせた?」
「最後に食べさせ…た…も……の………」
言葉が終わると同時に、動悸と頭痛、吐き気、そして、異様なまでの子宮の空虚感がわたしを襲った……。
目の焦点が合わない。
息がうまくできない。
子宮が軽い。
足りない。
大きさが足りない。
重さが足りない。
鼓動が足りない。
暖かさが足りない。
なぜ?
あの子がいないからか。
あの子はもうここにはいない。
この子宮の中にはあの子はいない。
あの子は、わたしが……。
わたしが……。
「殺して、食べた……あの子を…わたしが……」
あの子を……。
殺した……。
じくりとみぞおち辺りが痛む、じわじわとした痛みが激痛に変わり傷のない肌から血が溢れ出す。
その痛みで現実に引き戻された。
目の前で誰かが傷つき死ぬたびにその痛みをわたしは共有してきた。
なに一つ意味などない死にいたる痛みの共有。
痛みはいつも鮮烈だ。
「ツァトラ様、一旦、屋敷にもどりましょう!」
心配と驚愕を混ぜた声でホオズキがわたしに呼びかけてきた。
「大丈夫だよ、ホオズキ。わたしは大丈夫だから」
そう言いながらホオズキを落ち着かせようと笑ってみせる。
……無性にカキに会いたい。
■■■■■■■■■■
上手くまとめきれなかった……。
ちなみに、幻痛と血汗現象はツァトラにとっては泣く行為と同義です。
■■エアチェ管理簡易霊園■■
目の前の墓石に目を向ける。
この墓石の下に焼かれ灰になり、直径30cm高さ45cmの円柱状のカプセルに収められたセフィロスが眠っている。
「今度は助けられた。そう思ったんだけどね」
あぁ、そうだ、今度は助けられた。でもそのあとが想定外だった。
そして、セフィロスは死んだ。
「セフィロスの生死に意味はあったのかな?」
誰も答えない。
一緒に戦ってくれたエグラーフも、葬儀を進めてくれたエアチェも、墓に名を彫ってくれたスパルテも、わたしを治療してくれたホオズキも、誰も答えない。
みんな答えは出ているのはわかる、だから誰も答えない。
みんな同じ答え。
もしかしたら、ホオズキは違う答えかもしれないけど。
でも、それに対するそれぞれの思いはバラバラだと思う。
「なんで、泣けないんだろう?」
痛いほどの喪失感はあるのに涙が流れない。
「…何故、あそこまでしてセフィロスに意思を持たせようとした?」
エグラーフがわたしに声をかけてきた。
「愛してるから……」
そう言った瞬間、カキの顔が脳裏をよぎる……わたし…罪悪感を感じてるのかな……?
「……わたしと同じだったから」
…もしかするとこっちが理由としては大きいかもしれない。
「お前と?」
頷き、言葉を返す。
「わたしも物、商品だったから。だから、セフィロスにも人形から人になって欲しかった」
わたしも人になれたかは少し微妙だけど。
「そうか」
そう言い、またエグラーフは口を開いた。
「…なぁ、お前はあの時、最後になにを食べさせた?」
「最後に食べさせ…た…も……の………」
言葉が終わると同時に、動悸と頭痛、吐き気、そして、異様なまでの子宮の空虚感がわたしを襲った……。
目の焦点が合わない。
息がうまくできない。
子宮が軽い。
足りない。
大きさが足りない。
重さが足りない。
鼓動が足りない。
暖かさが足りない。
なぜ?
あの子がいないからか。
あの子はもうここにはいない。
この子宮の中にはあの子はいない。
あの子は、わたしが……。
わたしが……。
「殺して、食べた……あの子を…わたしが……」
あの子を……。
殺した……。
じくりとみぞおち辺りが痛む、じわじわとした痛みが激痛に変わり傷のない肌から血が溢れ出す。
その痛みで現実に引き戻された。
目の前で誰かが傷つき死ぬたびにその痛みをわたしは共有してきた。
なに一つ意味などない死にいたる痛みの共有。
痛みはいつも鮮烈だ。
「ツァトラ様、一旦、屋敷にもどりましょう!」
心配と驚愕を混ぜた声でホオズキがわたしに呼びかけてきた。
「大丈夫だよ、ホオズキ。わたしは大丈夫だから」
そう言いながらホオズキを落ち着かせようと笑ってみせる。
……無性にカキに会いたい。
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上手くまとめきれなかった……。
ちなみに、幻痛と血汗現象はツァトラにとっては泣く行為と同義です。
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2014-09-19 22:25
Comments (34)
リクエストありがとうございます‼︎ セフィロス『ツァトラさん…』
View Repliesカキ「ふぅ、これでよし、と……」 ザボックやギンセイ達の墓を掃除しに来ていた 「ん……あれ、ツァトラさん?」
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