【吠哭記】カイヤ【月派】
※期間延長ありがとうございます!!!
少女は養母の元で育った。
貴族の子どもとして何不自由なく、そして大層可愛がられて…
けれど実母に捨てられた事実は彼の心に拭えない劣等感を植えていた。
母は金髪碧眼の大層愛らしい女性だと聞いて、自分の地味な容姿を恨めしく思い
(もっと見目麗しかったなら母に捨てられたりはしなかったのだろうな)
そんな思いから、少女は男装して過ごすようになる。
ある日彼女はひとりの少年に恋をした。
地味な彼女にも分け隔てなく優しく話し掛ける彼に、彼女はたちまち惹かれて行ったが……
彼にはカイヤよりもずっと大事な少女がいた。
ツンケンした態度でカイヤなど気にも留めない彼女は、けれど驚くほどに美しい少女だった。
金髪に青い瞳
自分を見捨てた母と彼女がだぶって見える
実母に捨てられるほど
美しくもなく目立たない私は
優しくしてくれる男の子すら
美しい他の女の子に奪われるんだわ
ずっと
ずっと
ずっと
ずっと……!!!!
養母の命令で太陽領に一足先に到着したカイヤは、けれど用意された家ではなく
神殿へと足を向けた。
(月領に残るあのふたりが生き延びられないように)
(太陽神に身を捧げてすべて焼き尽くしてやる)
(私を愛してくれない人たちなんて、みんな死んでしまえ)
けれど彼女は知らなかった。
彼女が恋した少年と、傍にいた金髪の少女もまた、太陽領を目指している事を
そして自分を見捨てた母が
同じ神殿でヒトハシラになろうとしている事を
何も知らずその身を焼かれる
少女は養母の元で育った。
貴族の子どもとして何不自由なく、そして大層可愛がられて…
けれど実母に捨てられた事実は彼の心に拭えない劣等感を植えていた。
母は金髪碧眼の大層愛らしい女性だと聞いて、自分の地味な容姿を恨めしく思い
(もっと見目麗しかったなら母に捨てられたりはしなかったのだろうな)
そんな思いから、少女は男装して過ごすようになる。
ある日彼女はひとりの少年に恋をした。
地味な彼女にも分け隔てなく優しく話し掛ける彼に、彼女はたちまち惹かれて行ったが……
彼にはカイヤよりもずっと大事な少女がいた。
ツンケンした態度でカイヤなど気にも留めない彼女は、けれど驚くほどに美しい少女だった。
金髪に青い瞳
自分を見捨てた母と彼女がだぶって見える
実母に捨てられるほど
美しくもなく目立たない私は
優しくしてくれる男の子すら
美しい他の女の子に奪われるんだわ
ずっと
ずっと
ずっと
ずっと……!!!!
養母の命令で太陽領に一足先に到着したカイヤは、けれど用意された家ではなく
神殿へと足を向けた。
(月領に残るあのふたりが生き延びられないように)
(太陽神に身を捧げてすべて焼き尽くしてやる)
(私を愛してくれない人たちなんて、みんな死んでしまえ)
けれど彼女は知らなかった。
彼女が恋した少年と、傍にいた金髪の少女もまた、太陽領を目指している事を
そして自分を見捨てた母が
同じ神殿でヒトハシラになろうとしている事を
何も知らずその身を焼かれる
4
6
584
2014-12-22 00:00
Comments (0)
No comments