【彩世絵巻】はるに【第二世代】
彩世絵巻【illust/47101565】
こちらの企画に引き続き参加させて頂きます。
あの化け物と呪いの女は、ようやっと眠りについたらしい。
だからといって安心しきってはいけないよ。その子供らがまだいるからねえ。
どうしても行きたいって言うんなら―まあ、邪魔はしないよ。あとで大変なことになっても知らないからね。
一つだけ教えといてやる。大きな桜には近づかないことだよ。命は助かるかもしれないが、恐ろしい目に合う事は間違いない。
木を傷つけでもしたら…ア。聞こえたかい?さっきの音。かわいそうに、さっき山に入っていった男だろう。
だから言ったのに。おとなしくいう事を聞いていりゃあ、…戻ってこれたのかもしれないのにねえ。
「おやぁ?こんな辺鄙なところに。アンタ、怖いもの知らずだね」
「化け物の話を聞いてここにきたぁ?あっはっは!そんな話信じているのかい?ここに眠っているのは、わたしの父と母と……。
いいや、それだけさ。わかったならさっさとオカエリよ。麓への近道を教えてやるから。
ン?…桜の枝?アンタもそれが目当てかい。最近多いんだよねェ。……傷つけでもしたら承知しないぜ?
見るだけならいいけどサ。そこには私のたーいせつな、大切な人がいるから、…ね」
「おまえ、その桜に傷をつけたな!!!!」
◆はるに(春丹)
女/18歳/162㎝/半妖(人と樹木子の混血)
一人称:わたし/二人称:アンタ、あなた、おまえ
好きなもの:家族、自然、夜
樹木子と人の間に生まれた子。
見た目は人間そのもの。自分の意志、または激昂したときなどに体から木の枝が生える。
触手のように動かすことも可能だが、妖としての力が弱いのか30分ほどで枯れてしまう。
皮膚を裂くように生えるため、大きな枝は必要時以外に生やすことはあまりない。
母の影響を受けたのか博打や勝負事が好き。しかし勝率は低い。
両親の愛情を受け自然の中で育ち、朗らかで面倒見のいい性格に育った。
父に似た寂しがりの一面は、心の奥底に。それは両親を一気に失ったことで溢れ出す。
胸の内に、憎しみにも似た寂しさを抱えて――。
「聞こえたかいあの声が?何って、すすり泣く女の声さ。同情しちまってはいけないよ。
くわばらくわばら。瘴気に当てられないようさっさと通り過ぎるのが吉ってもんだ」
月の光がさす夜中、ただ一人きり。
二人が眠っているであろう目の前で、どうしてどうしてと泣きながら。
◇山に入り込んだ人たちを麓へ送りかえしている。それは両親と妹を守るため。
桜の木を傷つけたり、妹に見つかってしまう前に麓へ帰れと忠告している。
忠告を聞かない輩には枝を生やして脅している。
時折みせる兄のあの辛そうな笑顔に、自分の知らない「何か」を隠しているような気がして、
しかしその真実を知ることが怖くて、わざと知らないふりをする、ただの臆病者。
せめて心配をかけぬよう、兄と妹の前では気丈に振る舞うようにしている。
◇呪いは彼女が「泣く」ときに作動する。彼女は涙を流すことなく、その代わりに纏わりつく空気を瘴気へと変化させる。
あるものは知らず知らずに涙を流し、あるものは数日間の眠りにつき、あるものは数時間の記憶を失くし―。
さらに長く当てられると、熱病に冒されるのだとか。
周りに影響を与える呪いだが、彼女本人が感じている呪いは「涙を流せないこと」ただ一つのみである。
2/14♥素敵なご縁を頂きました!
あなたとならばどこまでも 蘇芳さん【illust/48224569】
最初はこの感情を食ってもらうためだった。
優氷庵という料亭にその男はいた。
「ねえ、お願い。この感情を食っておくれよ。痛くて痛くて、張り裂けそうだ」
縋り付けども男は首を横に振るばかり。
それでも毎日、出向いて願うと、男は諦めたように頷いた。
すうと心が軽くなる。包まれるような安心感に、ほっと息をつき男の顔を見上げた。
「あなた…きれいだね」
気が付けばそう呟いていた。紫水晶のような瞳に絹糸のような白い髪。まるで人を惑わす鬼のよう。
それからもわたしは彼のもとへ。憎しみと悲しみは尽きぬもの。
この感情を食ってもらうはずだった。
…そのはずだった。
ふと気が付けば、彼はわたしの日常の中にいて。
「蘇芳さんは、本当はちゃんとしっかりしているのに。
どうしてそう、ふらふらとあっちこっち遊び歩くのさ」
いつしか会いに行くのは、”有情鬼”としての彼ではなく”蘇芳”になっていた。
「…ねえ。……また会いに来てもいい?
違うよ、食べてほしいわけじゃないさ。 ただ一緒にいたいだけよ」
彼はきれいで優しい人だ。わたしみたいなものが傍にいてはいけないのかもしれない。
彼はまるで光。わたしとは真逆の存在のようで。それでも惹かれてしまうのは、彼が有情鬼だからなのか、
それとも。
「蘇芳。わたし、あなたがすきだわ。有情鬼だからじゃないの。
わたしが好きなのは…愛、しているのは「蘇芳」だよ」
「…桔梗。あなたの名前。紫はあなたの瞳のようで、
白はあなたの髪のよう。きれいなあなたに、似合うと思うわ」
「人生山あり谷ありってね。苦難ばかりでも、あなたとなら平気よ。
…ううん。あなたじゃないと嫌なの。…桔梗の隣で、道を歩んでいきたいわ」
―二人の道のはじまりはじまり。
大切な家族【https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=4806010】
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あの化け物と呪いの女は、ようやっと眠りについたらしい。
だからといって安心しきってはいけないよ。その子供らがまだいるからねえ。
どうしても行きたいって言うんなら―まあ、邪魔はしないよ。あとで大変なことになっても知らないからね。
一つだけ教えといてやる。大きな桜には近づかないことだよ。命は助かるかもしれないが、恐ろしい目に合う事は間違いない。
木を傷つけでもしたら…ア。聞こえたかい?さっきの音。かわいそうに、さっき山に入っていった男だろう。
だから言ったのに。おとなしくいう事を聞いていりゃあ、…戻ってこれたのかもしれないのにねえ。
「おやぁ?こんな辺鄙なところに。アンタ、怖いもの知らずだね」
「化け物の話を聞いてここにきたぁ?あっはっは!そんな話信じているのかい?ここに眠っているのは、わたしの父と母と……。
いいや、それだけさ。わかったならさっさとオカエリよ。麓への近道を教えてやるから。
ン?…桜の枝?アンタもそれが目当てかい。最近多いんだよねェ。……傷つけでもしたら承知しないぜ?
見るだけならいいけどサ。そこには私のたーいせつな、大切な人がいるから、…ね」
「おまえ、その桜に傷をつけたな!!!!」
◆はるに(春丹)
女/18歳/162㎝/半妖(人と樹木子の混血)
一人称:わたし/二人称:アンタ、あなた、おまえ
好きなもの:家族、自然、夜
樹木子と人の間に生まれた子。
見た目は人間そのもの。自分の意志、または激昂したときなどに体から木の枝が生える。
触手のように動かすことも可能だが、妖としての力が弱いのか30分ほどで枯れてしまう。
皮膚を裂くように生えるため、大きな枝は必要時以外に生やすことはあまりない。
母の影響を受けたのか博打や勝負事が好き。しかし勝率は低い。
両親の愛情を受け自然の中で育ち、朗らかで面倒見のいい性格に育った。
父に似た寂しがりの一面は、心の奥底に。それは両親を一気に失ったことで溢れ出す。
胸の内に、憎しみにも似た寂しさを抱えて――。
「聞こえたかいあの声が?何って、すすり泣く女の声さ。同情しちまってはいけないよ。
くわばらくわばら。瘴気に当てられないようさっさと通り過ぎるのが吉ってもんだ」
月の光がさす夜中、ただ一人きり。
二人が眠っているであろう目の前で、どうしてどうしてと泣きながら。
◇山に入り込んだ人たちを麓へ送りかえしている。それは両親と妹を守るため。
桜の木を傷つけたり、妹に見つかってしまう前に麓へ帰れと忠告している。
忠告を聞かない輩には枝を生やして脅している。
時折みせる兄のあの辛そうな笑顔に、自分の知らない「何か」を隠しているような気がして、
しかしその真実を知ることが怖くて、わざと知らないふりをする、ただの臆病者。
せめて心配をかけぬよう、兄と妹の前では気丈に振る舞うようにしている。
◇呪いは彼女が「泣く」ときに作動する。彼女は涙を流すことなく、その代わりに纏わりつく空気を瘴気へと変化させる。
あるものは知らず知らずに涙を流し、あるものは数日間の眠りにつき、あるものは数時間の記憶を失くし―。
さらに長く当てられると、熱病に冒されるのだとか。
周りに影響を与える呪いだが、彼女本人が感じている呪いは「涙を流せないこと」ただ一つのみである。
2/14♥素敵なご縁を頂きました!
あなたとならばどこまでも 蘇芳さん【illust/48224569】
最初はこの感情を食ってもらうためだった。
優氷庵という料亭にその男はいた。
「ねえ、お願い。この感情を食っておくれよ。痛くて痛くて、張り裂けそうだ」
縋り付けども男は首を横に振るばかり。
それでも毎日、出向いて願うと、男は諦めたように頷いた。
すうと心が軽くなる。包まれるような安心感に、ほっと息をつき男の顔を見上げた。
「あなた…きれいだね」
気が付けばそう呟いていた。紫水晶のような瞳に絹糸のような白い髪。まるで人を惑わす鬼のよう。
それからもわたしは彼のもとへ。憎しみと悲しみは尽きぬもの。
この感情を食ってもらうはずだった。
…そのはずだった。
ふと気が付けば、彼はわたしの日常の中にいて。
「蘇芳さんは、本当はちゃんとしっかりしているのに。
どうしてそう、ふらふらとあっちこっち遊び歩くのさ」
いつしか会いに行くのは、”有情鬼”としての彼ではなく”蘇芳”になっていた。
「…ねえ。……また会いに来てもいい?
違うよ、食べてほしいわけじゃないさ。 ただ一緒にいたいだけよ」
彼はきれいで優しい人だ。わたしみたいなものが傍にいてはいけないのかもしれない。
彼はまるで光。わたしとは真逆の存在のようで。それでも惹かれてしまうのは、彼が有情鬼だからなのか、
それとも。
「蘇芳。わたし、あなたがすきだわ。有情鬼だからじゃないの。
わたしが好きなのは…愛、しているのは「蘇芳」だよ」
「…桔梗。あなたの名前。紫はあなたの瞳のようで、
白はあなたの髪のよう。きれいなあなたに、似合うと思うわ」
「人生山あり谷ありってね。苦難ばかりでも、あなたとなら平気よ。
…ううん。あなたじゃないと嫌なの。…桔梗の隣で、道を歩んでいきたいわ」
―二人の道のはじまりはじまり。
大切な家族【https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=4806010】
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2015-01-18 03:09
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