敗北へのカウントダウン
「……本当に、10分間耐え抜いたら、マリアを解放してくれるのね」
夕焼けに赤く染まる荒野で、ウルトラエリスは二体の侵略宇宙人、バルタン星人とガッツ星人に対峙していた。
彼らの背後には、彼女の大切な双子の姉妹であり欠かせない半身とも言うべきウルトラマリアが、透明な十字架に磔にされている。凶悪な侵略宇宙人の罠にかかり、無情にも囚われの身となってしまったのだ。
「もちろん、約束は守ろう。10分間、君は我々の攻撃を受け続ける。そしてその間、君の膝が一度も大地に付かなかったら……君の勝利だ」
「……わかったわ」
「聞き分けが良くて助かるよ。だがその前に、教えた通りのポーズを取ってもらおうか」
「……」
ウルトラエリスは悔しそうにきゅっと唇をかむ。そして腕を伸ばすと、まるで変身ヒーローの決めポーズのような体勢を取った。
「これで、いいの?」
二体の侵略宇宙人は満足そうにほくそ笑む。
「せっかくの余興だ。ただ棒立ちではつまらないだろう。その凛々しい姿で耐えきってもらおうと思ってね」
「……悪趣味ね」
「最高の褒め言葉をありがとう。では、始めようか」
ガッツ星人とバルタン星人は、エリスを排撃するように立つ。そして決めポーズのまま動かない彼女に、その前後からビームを浴びせにかかる。
「……っ」
痺れるような痛みが、光の国屈指の実力を誇る女戦士の全身を襲う。しかしエリスは、歯を食いしばり、けして悲鳴をあげようとはしない。こんな卑劣な奴らに屈してはならない。それが、誇り高き戦士ウルトラエリスの決意だった。
(――1分経過ね。あと9分……!)
だが二体の侵略宇宙人にとっては、そのような光の国の女戦士の抵抗でさえ彼らを愉しませるためのスパイスに過ぎなかった。エリスに浴びせるビームの出力を徐々に上げていく。
ビビビビビビ……
「……ッ…ああッ!」
ついにウルトラエリスの唇から、苦しみの呻きが漏れ出す。正義のポーズを決めた腕がプルプル震え、膝もガグガクと笑い始める。胸の中央で青色に輝いていたカラータイマーは、危機的状態を示す赤色へと変化していた。
「おやおや?もうギブ・アップかい?」
ニヤリと笑う侵略宇宙人。
「……そ、そんなわけないでしょ。こんなの、全然平気よ。ちょっと痒いぐらいだわ」
ここで自分が倒れたら、大切な姉妹はどうなる?マリアを想う気持ちが、光の戦士を奮い立たせた。下がりそうになる腕、崩れそうになる脚に再び力を込め、凛とした決めポーズを維持する。屈辱を与えるために取らせられたポーズだったが、彼女は逆にその正義のポーズを自らの誇りとして受け入れようとしていた。
(――あ、あと7分……!)
だが――その決意も、この絶望的な状況下においては崩れるのはあっけなかった。
ガッツ星人の光線が、ウルトラエリスの胸に輝くカラータイマーに向けられる。
ビビビビビビ……
「――ああああああああああっっっ!!!」
胸の神経をすべて焼き千切られるかのような激痛に、これまでで一番高い声がエリスの口から発せられる。
「ひぁぁぁっっ!あぁっ!!!うあぁっ!!!」
カラータイマーへの攻撃は、容赦なく続く。正義のヒロインを象徴する決めポーズを取らされ、なすすべもないエリスは目を見開き、汗と涙と涎をまき散らしながら絶叫する。まだ、約束の10分の半分も過ぎていなかった。
果たして、ウルトラエリスはこの残虐なる責めを耐えきることができるのだろうか。そしてマリアの運命は――。
『2周年記念企画・相互リクエスト作品』
虚人さんuser/379989よりリクエスト頂いた作品です。
夕焼けに赤く染まる荒野で、ウルトラエリスは二体の侵略宇宙人、バルタン星人とガッツ星人に対峙していた。
彼らの背後には、彼女の大切な双子の姉妹であり欠かせない半身とも言うべきウルトラマリアが、透明な十字架に磔にされている。凶悪な侵略宇宙人の罠にかかり、無情にも囚われの身となってしまったのだ。
「もちろん、約束は守ろう。10分間、君は我々の攻撃を受け続ける。そしてその間、君の膝が一度も大地に付かなかったら……君の勝利だ」
「……わかったわ」
「聞き分けが良くて助かるよ。だがその前に、教えた通りのポーズを取ってもらおうか」
「……」
ウルトラエリスは悔しそうにきゅっと唇をかむ。そして腕を伸ばすと、まるで変身ヒーローの決めポーズのような体勢を取った。
「これで、いいの?」
二体の侵略宇宙人は満足そうにほくそ笑む。
「せっかくの余興だ。ただ棒立ちではつまらないだろう。その凛々しい姿で耐えきってもらおうと思ってね」
「……悪趣味ね」
「最高の褒め言葉をありがとう。では、始めようか」
ガッツ星人とバルタン星人は、エリスを排撃するように立つ。そして決めポーズのまま動かない彼女に、その前後からビームを浴びせにかかる。
「……っ」
痺れるような痛みが、光の国屈指の実力を誇る女戦士の全身を襲う。しかしエリスは、歯を食いしばり、けして悲鳴をあげようとはしない。こんな卑劣な奴らに屈してはならない。それが、誇り高き戦士ウルトラエリスの決意だった。
(――1分経過ね。あと9分……!)
だが二体の侵略宇宙人にとっては、そのような光の国の女戦士の抵抗でさえ彼らを愉しませるためのスパイスに過ぎなかった。エリスに浴びせるビームの出力を徐々に上げていく。
ビビビビビビ……
「……ッ…ああッ!」
ついにウルトラエリスの唇から、苦しみの呻きが漏れ出す。正義のポーズを決めた腕がプルプル震え、膝もガグガクと笑い始める。胸の中央で青色に輝いていたカラータイマーは、危機的状態を示す赤色へと変化していた。
「おやおや?もうギブ・アップかい?」
ニヤリと笑う侵略宇宙人。
「……そ、そんなわけないでしょ。こんなの、全然平気よ。ちょっと痒いぐらいだわ」
ここで自分が倒れたら、大切な姉妹はどうなる?マリアを想う気持ちが、光の戦士を奮い立たせた。下がりそうになる腕、崩れそうになる脚に再び力を込め、凛とした決めポーズを維持する。屈辱を与えるために取らせられたポーズだったが、彼女は逆にその正義のポーズを自らの誇りとして受け入れようとしていた。
(――あ、あと7分……!)
だが――その決意も、この絶望的な状況下においては崩れるのはあっけなかった。
ガッツ星人の光線が、ウルトラエリスの胸に輝くカラータイマーに向けられる。
ビビビビビビ……
「――ああああああああああっっっ!!!」
胸の神経をすべて焼き千切られるかのような激痛に、これまでで一番高い声がエリスの口から発せられる。
「ひぁぁぁっっ!あぁっ!!!うあぁっ!!!」
カラータイマーへの攻撃は、容赦なく続く。正義のヒロインを象徴する決めポーズを取らされ、なすすべもないエリスは目を見開き、汗と涙と涎をまき散らしながら絶叫する。まだ、約束の10分の半分も過ぎていなかった。
果たして、ウルトラエリスはこの残虐なる責めを耐えきることができるのだろうか。そしてマリアの運命は――。
『2周年記念企画・相互リクエスト作品』
虚人さんuser/379989よりリクエスト頂いた作品です。
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2015-02-25 22:10
Comments (11)
That's an interesting concept. I like it.
View RepliesI am surprised that Eris can take those attacks for 10 minutes, but she also may die.
View Replies少しマニアックな内容かなと思っていたのですが、イメージ通り、リクエストに応えていただきありがとうございました!
View Replies相手がウルトラヒロインだからこそ最高の転回ですね、セブン「ああ…最高だよなぁ……!(ガッツの背後で殺気を向ける)」マン「そうだよねぇ……君ら侵略者の約束オチを考えたらねぇ……!(バルタンの背後で殺気を向ける)」
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