夢幻の敗戦
*****
夢を見た。帝光のユニホームを着て、今より幾分幼い顔つきの自分たちがコートの上で肩を震わせていた。スコアボードを見れば、歴史ある『帝光』の文字の下に相手校よりも若い数字が並んでいる。会場は騒然としていた。激励も怒号も入り混じる中、僕の耳には確かに自分と相棒であった彼の声が聞こえた。
「悔しいです…っ! 君と、君たちと…勝ちたかった」
「…ああ、悔しいな。次はぜってー負けねえ…っ!」
目が覚めて、先ほどまでの夢を思い返す。懐かしいとは思わなかったのは、きっと自分の中にあるあの頃の記憶とはあまりにかけ離れていたからだろう。
部として『百戦百勝』を掲げられた彼らに、負けることは許されなかった。過ごしていく日々の中、徐々に開花していく才能は、彼らにとって『勝つこと』を当然の理にしてしまっていた。そして気づけば1ピース足らなくなったパズルはバラバラに壊れてしまった。
所詮、夢は夢なのだ。
でも、もしもあの頃の僕らが一度でも試合に負けていたならば、今とは違う『今』があったのだろうか。負ける悔しさを知っている彼らならば、今も変わらず同じチームでプレイしているのかもしれない。きっとこんな風に関係がこじれることもなかっただろう。彼らが『負け』を知っていれば。
「黒子!!」
背後から火神くんの声がする。彼は僕を見つけるのが誰よりうまくなった――青峰くんよりも。夢と同じ道を辿っていれば、決して出会うことも結ばれることもなかった絆が今の僕にはある。あの頃には知らなかった景色も見ることができた。
この道を歩んできたことに悔いはない。たとえ彼らと離れ離れになってしまったとしても、きっとみんなが何よりも愛したバスケで繋がっている。違う道を歩んだとしてもコートひとつでまた集まることができるのなら、僕はそれでいいと思うんだ。
それが今の僕の幸せだから。
歩んだ道は決して間違いじゃない。
*****
※イラストと本文は99%無関係ですwwww拙い文章ですみません。
キャプション思いつかんかったorz
多分腐向けではないです。
夢を見た。帝光のユニホームを着て、今より幾分幼い顔つきの自分たちがコートの上で肩を震わせていた。スコアボードを見れば、歴史ある『帝光』の文字の下に相手校よりも若い数字が並んでいる。会場は騒然としていた。激励も怒号も入り混じる中、僕の耳には確かに自分と相棒であった彼の声が聞こえた。
「悔しいです…っ! 君と、君たちと…勝ちたかった」
「…ああ、悔しいな。次はぜってー負けねえ…っ!」
目が覚めて、先ほどまでの夢を思い返す。懐かしいとは思わなかったのは、きっと自分の中にあるあの頃の記憶とはあまりにかけ離れていたからだろう。
部として『百戦百勝』を掲げられた彼らに、負けることは許されなかった。過ごしていく日々の中、徐々に開花していく才能は、彼らにとって『勝つこと』を当然の理にしてしまっていた。そして気づけば1ピース足らなくなったパズルはバラバラに壊れてしまった。
所詮、夢は夢なのだ。
でも、もしもあの頃の僕らが一度でも試合に負けていたならば、今とは違う『今』があったのだろうか。負ける悔しさを知っている彼らならば、今も変わらず同じチームでプレイしているのかもしれない。きっとこんな風に関係がこじれることもなかっただろう。彼らが『負け』を知っていれば。
「黒子!!」
背後から火神くんの声がする。彼は僕を見つけるのが誰よりうまくなった――青峰くんよりも。夢と同じ道を辿っていれば、決して出会うことも結ばれることもなかった絆が今の僕にはある。あの頃には知らなかった景色も見ることができた。
この道を歩んできたことに悔いはない。たとえ彼らと離れ離れになってしまったとしても、きっとみんなが何よりも愛したバスケで繋がっている。違う道を歩んだとしてもコートひとつでまた集まることができるのなら、僕はそれでいいと思うんだ。
それが今の僕の幸せだから。
歩んだ道は決して間違いじゃない。
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※イラストと本文は99%無関係ですwwww拙い文章ですみません。
キャプション思いつかんかったorz
多分腐向けではないです。
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2015-04-10 17:08
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