紙袋ちゃんのお仕事

信じられないようなことが起きた。
事務所の前にいた若い衆3人が1人の女に一方的にやられたのだ。
女の獲物は古びた軍刀。しかしそれを抜いて若い衆を倒したわけではない。
素手でだ。
ありえない。
柔道の段持ちやボクシング経験者もいたのに一方的に殴り、蹴り飛ばし最後は首の骨を踏み砕いた。
事務所の扉を開け入ってきた女は顔を隠すためだろうか、不気味に笑顔が描かれた紙袋をかぶっている。
それに若い衆の返り血がついておりまるでホラー映画の殺人鬼だ。
ロシア製のマカロフを取出し、かまえる。
ほかの若い衆を呼び恐怖を抑えながら精一杯の虚勢を張った。
「てめえ! ここがどこの事務所かわかっているんだろうな!?」
回答は期待していなかった。ただの狂人と思ったからだ。しかし女はくすくすと笑いながら答えた。
「分かっているわ。心竜会の若頭さん」
「なっ!?」
この女はここがやくざの事務所、そう知っていながら襲撃してきたのだ。
「若頭さん。あなたには怨みはないけど友達に頼まれたから――いや、怨みならあるわ。この国に仇なす寄生虫だからね。お父様から言われているのよ。この国にあだなすものは潰せってね」
「いかれてやがる……!」
「若頭、大丈夫ですか!?」
事務所にいた若い衆、10人ほどが武器を手に来てくれた。
しかし少女は動じることもなく
「全部で11人? その程度でいいの?」
一瞬開け放たれた扉から風が吹き、紙袋で隠されていた口元が見えた。
笑ったいたのだ。
次の瞬間、女は目にもとまらぬ速さで軍刀を抜き、突っ込んでくる。
「くそ……!」
若頭はこの仕事に就いたことを後悔した――。

SSみたいに書いてみた。
ちゃんとした話はそのうち書くね。

6
2
694
2015-05-31 17:43

 少佐


Comments (2)

あーたん 2015-05-31 18:42

その後・・・、心竜会の面々の姿を見た者は、誰もいなかった・・・。――的な展開になったとかでしょうか?

View Replies

Related works