【ポケクロⅢ】True men come out【交流】
The true man comes out in drink ... 酒は本心を表す
*【illust/51084851】の時間軸の少し後のつもりです。負けてらんねえイケおじと絡まなきゃと使命感にかられたなんてそんな
*ザグナルさん【illust/51084851】 ワイン飲むよ【illust/51001141】
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生ぬるい暗闇の中、その空間では二人の男が悠々と酒を飲みかわしていた。
表の賑やかな空間とは隔離されたこの場所は、酒場の裏にあたる場所。
喧騒から離れ、からん、グラスに当たる氷が小さく音を立てるのも、耳に届くくらいの静けさだ。
「お前さんも俺をご指名かよ。Oh dear,退屈しないねえ」
酒を煽る片割れの男―――『前進』を思わせる黄色のバンダナを巻いたその男は、
酒のせいか、はたまた積もる話のせいか、随分と機嫌がよさそうだ。
もう片方の男―――青い装束に身を包んだやや小柄な男も、つられて微笑みを見せる。
「そりゃあ、2年前まで戦場(いくさば)を騒がせた男がサードエンドに居るとくれば、気になって当然じゃないか」
「Ah-huh、調査団だから?」
その言葉に、ん、と青装束の男の眉が動く。
「いつから気づいてた」
「気づかないわけがあるかよ。マスターはだからこっちにお前さんを通したんだぜ?
こんなご時世だ、情報を制さなきゃ戦場を制せねぇだろうが。Right?」
バンダナの男のごつごつの指が、相手の額をとんと弾いた。
当たり前のように言うもんだから、ああそういうものか、と納得して思い出す。
―――ああそうだ、そういえば、最近になって、反乱軍にはギルドの情報を流したんだっけ。忘れていた。
「そこまで知ってるなら話が早いや。じゃあ俺がここに来た理由、察しが付くだろう?」
「No duh!前来たピカ.チュ.ウの子供もそうだったからな」
そして、上機嫌にあの子供はどうだった、と二言三言挟むと、その男は、
「―――ん、で。お前さんはどうなんだ?」
口元にさっきまでとは違う笑みを浮かべていた。試す視線が、小柄な男の全身を刺す。
ああ。その数秒で、蒼装束の男は納得した。
鋭い瞳の奥に、微かに見えたその光こそが、おそらく彼の本性だろう。
「どう、だろうね。それはあんたが見定めるべきことじゃないか?」
一旦視線を外し、蒼装束の男は一気にグラスの中身を口に流し込む。
揺れるワインから飛び出したブリーの香りがふわりと漂い、すぐに闇の中に溶けて消えた。
何気なくもう一度、バンダナの男は相手を見やった。彼はまだ、アルコールに負ける気配は無いようだ。
「ま、少なくとも俺は。……『贔屓にさせて』もらうよ」
「そりゃあ、どうも」
新たなワインがグラスを満たす。ワイングラスととロックグラスが、ぶつかり合って軽快な音を立てた。
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「……ところで」
「んん?」
「Hmm……10年とちょっと前だったかなァ……、サードエンド国内で、武器を持たないのに岩のように硬く水のようにしなやかな剣奴がいた、と聞いたことがあるンだよ。
そいつの名前。You guys、お前さんなら知ってるだろ?」
「……さーねー。知りたくも無いな」
*【illust/51084851】の時間軸の少し後のつもりです。
*ザグナルさん【illust/51084851】 ワイン飲むよ【illust/51001141】
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生ぬるい暗闇の中、その空間では二人の男が悠々と酒を飲みかわしていた。
表の賑やかな空間とは隔離されたこの場所は、酒場の裏にあたる場所。
喧騒から離れ、からん、グラスに当たる氷が小さく音を立てるのも、耳に届くくらいの静けさだ。
「お前さんも俺をご指名かよ。Oh dear,退屈しないねえ」
酒を煽る片割れの男―――『前進』を思わせる黄色のバンダナを巻いたその男は、
酒のせいか、はたまた積もる話のせいか、随分と機嫌がよさそうだ。
もう片方の男―――青い装束に身を包んだやや小柄な男も、つられて微笑みを見せる。
「そりゃあ、2年前まで戦場(いくさば)を騒がせた男がサードエンドに居るとくれば、気になって当然じゃないか」
「Ah-huh、調査団だから?」
その言葉に、ん、と青装束の男の眉が動く。
「いつから気づいてた」
「気づかないわけがあるかよ。マスターはだからこっちにお前さんを通したんだぜ?
こんなご時世だ、情報を制さなきゃ戦場を制せねぇだろうが。Right?」
バンダナの男のごつごつの指が、相手の額をとんと弾いた。
当たり前のように言うもんだから、ああそういうものか、と納得して思い出す。
―――ああそうだ、そういえば、最近になって、反乱軍にはギルドの情報を流したんだっけ。忘れていた。
「そこまで知ってるなら話が早いや。じゃあ俺がここに来た理由、察しが付くだろう?」
「No duh!前来たピカ.チュ.ウの子供もそうだったからな」
そして、上機嫌にあの子供はどうだった、と二言三言挟むと、その男は、
「―――ん、で。お前さんはどうなんだ?」
口元にさっきまでとは違う笑みを浮かべていた。試す視線が、小柄な男の全身を刺す。
ああ。その数秒で、蒼装束の男は納得した。
鋭い瞳の奥に、微かに見えたその光こそが、おそらく彼の本性だろう。
「どう、だろうね。それはあんたが見定めるべきことじゃないか?」
一旦視線を外し、蒼装束の男は一気にグラスの中身を口に流し込む。
揺れるワインから飛び出したブリーの香りがふわりと漂い、すぐに闇の中に溶けて消えた。
何気なくもう一度、バンダナの男は相手を見やった。彼はまだ、アルコールに負ける気配は無いようだ。
「ま、少なくとも俺は。……『贔屓にさせて』もらうよ」
「そりゃあ、どうも」
新たなワインがグラスを満たす。ワイングラスととロックグラスが、ぶつかり合って軽快な音を立てた。
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「……ところで」
「んん?」
「Hmm……10年とちょっと前だったかなァ……、サードエンド国内で、武器を持たないのに岩のように硬く水のようにしなやかな剣奴がいた、と聞いたことがあるンだよ。
そいつの名前。You guys、お前さんなら知ってるだろ?」
「……さーねー。知りたくも無いな」
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2015-06-27 00:16
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