『双神』の理由
ジグラが自分のテリトリー内である河川に侵入してきたヘドラと戦っていたが、徐々に河川の水を汚染されてしまい、まともに戦う事が出来なくなった所を武神を助けられた、と言うシチュエーションです。
いやぁ、ありがちなシチュエーションですね。
でも、すまない。王道とか、結構好きなんだ…
なおヘドラは武神の左眼を潰し、右腕を溶かす程に善戦したのですが、武神の『ナパームフィスト』を喰らって焼却処分されてしまいました(;´∀`)
すまん、ヘドラ。活躍しているシーン、描きたかったんだけど気力が持たんかった…
河川の中で大きな水柱が発生する程の大爆発が巻き起こった。
ジグラ「ぷはっ!はぁ…はぁ…」
水の中で一度気絶したジグラはその衝撃で意識を取り戻す。
だがまだ汚染された水質の影響のせいか、体をうまく動かす事が出来なかった。
すると次に自分はどうやって浮かんでいるのだろう?と思うと、彼女は自分を抱えるように支えている感触に気付く。
ジグラ『…?だ、誰だ…?バイラスか…?』
そうやってゆっくりと目を開くと目の前には意外な人物の顔があった。
武神「…大丈夫か?」
ジグラ「!?!?た、た、武神!?」
それは武神だった。
あまりにも想定外の事に、普段の彼女なら滅多に見る事の出来ない驚いた顔になる。
そしてそんな彼女は先程の驚きが鎮まらないまま、更に驚く事を目にする。
ジグラ「!あ…あんた、目が…」
目こそ閉じてはいるがその周囲の肌がまるで火傷したかのように不気味な傷跡となり、武神の左眼が完全に潰れていたのである。
その事に驚くジグラを他所に当の武神はあっけらかんとした態度をしていた。
武神「ああ、大丈夫さ。すぐ治る」
ジグラ「な、治るったって…!?あんた、それ…」
自分が普段、武神達と対応する時の口調とは違う事に気付かないジグラだが武神はその事には触れなかった。
あっけらかんと言ってのける武神の体を見回すようにジグラは視線を移動させると、今度は武神の右腕が肩から完全に無くなっている事に気付く。
武神の右腕がない事に驚いているジグラを見て、武神は怪訝そうに首を傾げてから彼女の視線を追うとジグラが驚いている理由を察する。
武神「ん?ああ、これも大丈夫だよ」
心配させまいとしてか、武神はまるで何でもないかのように言う。
そしてジグラは、自分が気付いてからの彼の目が優しい事に気付く。
まるで彼がこんな重傷になった原因である自分の事を案じ、無事である事を安堵しているような。
そんな武神を少し警戒するように見ながらジグラは彼に尋ねる。
ジグラ「…どうして…あたしを助けた?」
武神「???」
武神はジグラの質問に思いっきり怪訝そうな表情を浮かべる。
まるで質問の意図が分からないと言わんばかりである。
ジグラ「…あたしの事、もう気付いているんだろう…?」
武神「…ああ…何の事だ?」
ジグラの言葉にようやく察した武神は再び笑みを浮かべると白々しく答える。
勿論、ジグラもそんな演技に騙される訳もなかった。
ジグラ「しらばっくれるな!もう気付いているはずだ、あたしが…」
武神「仮に…」
彼を追求しようと語気を荒げるジグラの言葉に被せるように、武神は穏やかながらに口を開く。
武神「仮にお前が朱璃の関係者だとしても、俺がお前を助けない理由にはならない」
ジグラ「何故だ!敵対している勢力の者が減ればお前の負担も減るだろう!」
武神の穏やかな雰囲気と言うか温和な態度が気に入らないのか、ジグラは自分の正体がバレるのを承知で、更に問い詰める。
ジグラとは真逆の態度である武神はやれやれ、と言わんばかりに肩を竦ませるとジグラが見た中で恐らく一番優しい笑みを浮かべる。
武神「誰かを助けるのに、理由が必要か?」
ジグラ「!」
武神の言葉にジグラは言葉を詰まらせる。
そんな彼女に武神はさも当然の様に言葉を続ける。
武神「もし理由が必要なら…俺がお前を助けたかったから。これだけだな」
ジグラ「…そんな…そんな下らない理由で、敵を助けて…目と腕を失ったのか…?」
武神の、あまりにも単純で馬鹿らしい理由にジグラは唖然とした。
唖然としているジグラを他所に武神は岸に向かってゆっくりと泳く。
武神「敵かどうかは知らないが…左眼と右腕でお前を助けられたのなら安いもんさ」
ジグラ「!?」
不意打ちとも言える武神の言葉にジグラは顔を赤面させる。
そして一拍の間の後、顔を逸らすと不機嫌そうな声を上げる。
だがその顔は変わらず、赤かった。
ジグラ「…。…ば、馬鹿じゃないのか、お前は」
武神「誰かを護れるのなら、俺は馬鹿でも何にでもなるよ」
そう言うと武神は岸に辿り着く前に右腕を再生させると岸に上がり、まだ体が動かないジグラを抱えて帰宅する。
その間、自分を抱えて運ぶ武神の服をジグラは知らず知らずに自然と握り締めていた。
いやぁ、ありがちなシチュエーションですね。
でも、すまない。王道とか、結構好きなんだ…
なおヘドラは武神の左眼を潰し、右腕を溶かす程に善戦したのですが、武神の『ナパームフィスト』を喰らって焼却処分されてしまいました(;´∀`)
すまん、ヘドラ。活躍しているシーン、描きたかったんだけど気力が持たんかった…
河川の中で大きな水柱が発生する程の大爆発が巻き起こった。
ジグラ「ぷはっ!はぁ…はぁ…」
水の中で一度気絶したジグラはその衝撃で意識を取り戻す。
だがまだ汚染された水質の影響のせいか、体をうまく動かす事が出来なかった。
すると次に自分はどうやって浮かんでいるのだろう?と思うと、彼女は自分を抱えるように支えている感触に気付く。
ジグラ『…?だ、誰だ…?バイラスか…?』
そうやってゆっくりと目を開くと目の前には意外な人物の顔があった。
武神「…大丈夫か?」
ジグラ「!?!?た、た、武神!?」
それは武神だった。
あまりにも想定外の事に、普段の彼女なら滅多に見る事の出来ない驚いた顔になる。
そしてそんな彼女は先程の驚きが鎮まらないまま、更に驚く事を目にする。
ジグラ「!あ…あんた、目が…」
目こそ閉じてはいるがその周囲の肌がまるで火傷したかのように不気味な傷跡となり、武神の左眼が完全に潰れていたのである。
その事に驚くジグラを他所に当の武神はあっけらかんとした態度をしていた。
武神「ああ、大丈夫さ。すぐ治る」
ジグラ「な、治るったって…!?あんた、それ…」
自分が普段、武神達と対応する時の口調とは違う事に気付かないジグラだが武神はその事には触れなかった。
あっけらかんと言ってのける武神の体を見回すようにジグラは視線を移動させると、今度は武神の右腕が肩から完全に無くなっている事に気付く。
武神の右腕がない事に驚いているジグラを見て、武神は怪訝そうに首を傾げてから彼女の視線を追うとジグラが驚いている理由を察する。
武神「ん?ああ、これも大丈夫だよ」
心配させまいとしてか、武神はまるで何でもないかのように言う。
そしてジグラは、自分が気付いてからの彼の目が優しい事に気付く。
まるで彼がこんな重傷になった原因である自分の事を案じ、無事である事を安堵しているような。
そんな武神を少し警戒するように見ながらジグラは彼に尋ねる。
ジグラ「…どうして…あたしを助けた?」
武神「???」
武神はジグラの質問に思いっきり怪訝そうな表情を浮かべる。
まるで質問の意図が分からないと言わんばかりである。
ジグラ「…あたしの事、もう気付いているんだろう…?」
武神「…ああ…何の事だ?」
ジグラの言葉にようやく察した武神は再び笑みを浮かべると白々しく答える。
勿論、ジグラもそんな演技に騙される訳もなかった。
ジグラ「しらばっくれるな!もう気付いているはずだ、あたしが…」
武神「仮に…」
彼を追求しようと語気を荒げるジグラの言葉に被せるように、武神は穏やかながらに口を開く。
武神「仮にお前が朱璃の関係者だとしても、俺がお前を助けない理由にはならない」
ジグラ「何故だ!敵対している勢力の者が減ればお前の負担も減るだろう!」
武神の穏やかな雰囲気と言うか温和な態度が気に入らないのか、ジグラは自分の正体がバレるのを承知で、更に問い詰める。
ジグラとは真逆の態度である武神はやれやれ、と言わんばかりに肩を竦ませるとジグラが見た中で恐らく一番優しい笑みを浮かべる。
武神「誰かを助けるのに、理由が必要か?」
ジグラ「!」
武神の言葉にジグラは言葉を詰まらせる。
そんな彼女に武神はさも当然の様に言葉を続ける。
武神「もし理由が必要なら…俺がお前を助けたかったから。これだけだな」
ジグラ「…そんな…そんな下らない理由で、敵を助けて…目と腕を失ったのか…?」
武神の、あまりにも単純で馬鹿らしい理由にジグラは唖然とした。
唖然としているジグラを他所に武神は岸に向かってゆっくりと泳く。
武神「敵かどうかは知らないが…左眼と右腕でお前を助けられたのなら安いもんさ」
ジグラ「!?」
不意打ちとも言える武神の言葉にジグラは顔を赤面させる。
そして一拍の間の後、顔を逸らすと不機嫌そうな声を上げる。
だがその顔は変わらず、赤かった。
ジグラ「…。…ば、馬鹿じゃないのか、お前は」
武神「誰かを護れるのなら、俺は馬鹿でも何にでもなるよ」
そう言うと武神は岸に辿り着く前に右腕を再生させると岸に上がり、まだ体が動かないジグラを抱えて帰宅する。
その間、自分を抱えて運ぶ武神の服をジグラは知らず知らずに自然と握り締めていた。
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2015-07-20 06:19
Comments (19)
コンちゃん「コンコン、コン(武神くん、タオルとか持ってきたよ)」
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