The selected answer

いつもの蒼Ｍでございます。暑さも本番、体調管理に気を付けて下さい。
さておき、ワンパターンで申し訳ない。そう、また森久保なんだ…なんか徐々にモリクボ愛に目覚めつつある謎の感覚。モバゲの方でもネガティブ乙女迎えちゃった…
一応これまでと違う点として、彩色方法を試験的に変えてました。今まではベタ塗り＋エアブラシ強弱のみでしたが、今回は水彩ブラシ各種のみです。（微妙な境界線は重ね塗りと消しゴムで表現）
実線も各パーツごとに類似色に変えてるので、少しはナチュラルに見えれば…本当は水彩画調にしたかったんですが、なかなかうまく行かない今日。例によってドール設定なので以下妄想キャプション↓

…見覚えのない、でも知っている場所に私は居た。おそらくはこの世界での私の住居なのだろう。記憶と感覚はあの日と通じていた。そう、奇妙なドールハウスから「彼女」を連れ帰ったあの日と。
２度目の不思議な体感、いわゆる夢か幻か。以前より自分を客観視できるのは、そのような認識が強まっているからだろう。とにかくこちらでするべき事は分かっている。私は「彼女」の居る場所に向かった。
短い廊下の先にある部屋の前に立ち、ドアノブを回そうとしたその時、無意識に手が止まる。扉の向こうから美しい歌声が聞こえたからだ。彼女は誰も見ていない時にひっそりと歌う。邪魔をしてはいけないと感じた私はドアノブからそっと手を離し、目を閉じてその歌声に聞き入った。やはり覚えのない、でも確かに知っている歌が心に響く…夢心地とはまさに今の状態なのだろう。
やがて歌声は止み、しんと静寂が当たりを包む。心地よいひと時はすぐに終わるものだと思いながら再びドアノブに手をかけ、私は部屋の中へ足を踏み入れた。
光射す窓際の棚の上に彼女は居た。いや、私がそこへ座らせたのだから当然なのだが、少し様子が変わっていた。彼女のお友達、つまり例の老店主に半ば押し付けられた小さな人形達を一緒に並べていたのだが、そのうち一つが抱きかかえられていたのだ。派手な彩色のキノコの子、コレが気に入っているのか？そういえば俯いた表情は前より和らいでいるような気もした。まぁ、彼女がそう望むなら好きにさせたいと思う。
そう思案しながら、とりあえず私は部屋の空気を入れ替える為に窓を開けると、緩やかな風が部屋の中へ吹き込み、そして背後で何かがパサッと落ちる音が聞こえた。
それは老店主がくれたメモ書きだった。正直、読んだ記憶は無い。そのせいもあってか、特に読む気がなかったにも関わらず、メモを拾い上げた時に下の方に書いてある赤い字を目が勝手に追う。
意味はまったく分からないが、それが頭に入った瞬間に何かが変わった気がした。視界がうっすらとぼやけ始め、やがてそこに居る自分から精神が剥離するような感覚に襲われる…！なるほど、夢から覚める直前に似た感覚。どうやらこの世界とはまたお別れらしい。
徐々に鮮明となる意識の中でこの夢の意味を考える。ここでは全く気にならなかったが、当然ながら人形は歌わないし動かない。夢の中の彼女は私の歪んだ願望の一端なのだろうか？
「give a life。」
老店主の言葉が脳裏へフィードバックした。ああ、そういう事だったのか。霞む視界の中、佇むドールと私がよく知る少女の姿が重なった。そして光が全てを包む込む。
現実の記憶が夢の記憶を凌駕して取り込み、本来の自身を取り戻したのだ。
そう、私の役目は彼女を輝く舞台へ導く事。まるで人形のような臆病で大人しい、そんな彼女の美しい歌声を世界へ届ける。それが私の選択、そして答え。
さあ、目を覚まそう。きっと私を待っているから。

「ﾌﾋ…な、なあﾎﾞﾉﾉさん。やっぱりﾌﾟﾛﾃﾞｭｰｻｰ起こした方がいいんじゃないか？」
「あぅ…でもなんか寝ながら笑ってて怖いからむーりぃ～」
おしまい