夏の終わりに
「後どれだけ残ってるんだ?」
「え~っと…数学の問題集は今終りましたので…自由研究と読書感想文…それから……」
とある住宅の一室。そこにはテーブルを囲む三人の少女がいた。
「お約束とは言え…少し溜め過ぎだぞ北斗。休みの間一体何やってたんだ」
ウルトラガールミカエルこと迫水進夢が、隣で黙々と漢字の書き取りをしている少女を横目に見ながら問い詰める。
「フンッ…余計なお世話デス。そもそも手伝ってくれなんて頼んで無いデス」
「何を~!!」
「す、進夢さん!落ち着いて!」
一色即発の空気を呼んだ優希が間を取り持つ。
「うう…すまないな優希。悪者退治を手伝って貰ったばかりか、北斗の宿題の手伝いまで…」
「……」
涙目で優希に詫びる進夢。そして流石に異世界の戦士に宿題を手伝わせていることに負い目を感じているのか、北斗も若干申し訳なさそうな表情。
数時間前、突如街中に現れた謎の怪人。ウルトラガールに変身して立ち向かう進夢と北斗だったが…。
「う、うるさい…」
「あいつ、蝉を操って…」
怪人に操られた蝉の大群が一斉にシャウトする。
「こうなったら蝉もろとも…」
「待てよ!蝉は悪くないんだ。操られてるだけだろ?」
「じゃあどうするデス!?」
『任せて下さい!』
「!?」
「誰だ!?」
二人は声のする方向を振り返る。そこには長い髪を二つに束ねたウルトラ戦士の姿があった。
「わたしはウルトラルミナ。この世界の光の戦士であるあなた達に助太刀します」
ルミナは左腕の装具『ミネルバブレス』に意識を集中する。
「少しの間、眠っていて下さい…はぁ!!!」
そのまま左手を一閃すると、ミネルバブレスから放たれた光の波動が彼女を中心に巻き起こる。次の瞬間、あれだけ煩かった蝉の声がパッタリと止まった。
「彼らには少しの間眠って頂きました。これであなたを護るものはいませんよ?」
「よっしゃ!コテンパンにしてやる!覚悟しろ!!」
「やってやるデス!!」
二人のウルトラガールの猛攻を受け、謎の怪人は異次元へ撤退した。
その後…。
「お礼にと思って入ったフルーツパーラーで夏休みの宿題の話になって…」
「………」
「困った時はお互い様ですよ。北斗さんも夏休みが明けて直ぐに補修なんて嫌でしょう?」
「………うん」
「それならここは力を合わせて、北斗さんの窮地を救いましょう。大丈夫、わたし達は光の戦士なんですから!」
優希の言葉に目を輝かせる進夢。
「そうだな!優希の言う通りだ!北斗、力を合わせてこの試練を乗り越えよう!!」
「……わ、わかりマシタ」
進夢の勢いの若干押されながらも返事をする北斗。
「よし、自由研究はあたしと優希に任せておけ!北斗、お前は読書感想文をなんとしても倒すんだ!!」
「は、はい!!」
(良かった。何だかんだ言ってもお互いを信頼しているんですね)
「ん?どうかしたか優希?」
「いいえ、何でもありません。それでは取り掛かりましょう。わたし達の勝利は目前です」
「おー!!」
「お、お~…」
夏の午後、少女達のもう一つの戦いは続く………。
『相互リクエスト作品』
ver10さんuser/471249よりリクエスト頂いた作品です。
リクありがとうございました!
「え~っと…数学の問題集は今終りましたので…自由研究と読書感想文…それから……」
とある住宅の一室。そこにはテーブルを囲む三人の少女がいた。
「お約束とは言え…少し溜め過ぎだぞ北斗。休みの間一体何やってたんだ」
ウルトラガールミカエルこと迫水進夢が、隣で黙々と漢字の書き取りをしている少女を横目に見ながら問い詰める。
「フンッ…余計なお世話デス。そもそも手伝ってくれなんて頼んで無いデス」
「何を~!!」
「す、進夢さん!落ち着いて!」
一色即発の空気を呼んだ優希が間を取り持つ。
「うう…すまないな優希。悪者退治を手伝って貰ったばかりか、北斗の宿題の手伝いまで…」
「……」
涙目で優希に詫びる進夢。そして流石に異世界の戦士に宿題を手伝わせていることに負い目を感じているのか、北斗も若干申し訳なさそうな表情。
数時間前、突如街中に現れた謎の怪人。ウルトラガールに変身して立ち向かう進夢と北斗だったが…。
「う、うるさい…」
「あいつ、蝉を操って…」
怪人に操られた蝉の大群が一斉にシャウトする。
「こうなったら蝉もろとも…」
「待てよ!蝉は悪くないんだ。操られてるだけだろ?」
「じゃあどうするデス!?」
『任せて下さい!』
「!?」
「誰だ!?」
二人は声のする方向を振り返る。そこには長い髪を二つに束ねたウルトラ戦士の姿があった。
「わたしはウルトラルミナ。この世界の光の戦士であるあなた達に助太刀します」
ルミナは左腕の装具『ミネルバブレス』に意識を集中する。
「少しの間、眠っていて下さい…はぁ!!!」
そのまま左手を一閃すると、ミネルバブレスから放たれた光の波動が彼女を中心に巻き起こる。次の瞬間、あれだけ煩かった蝉の声がパッタリと止まった。
「彼らには少しの間眠って頂きました。これであなたを護るものはいませんよ?」
「よっしゃ!コテンパンにしてやる!覚悟しろ!!」
「やってやるデス!!」
二人のウルトラガールの猛攻を受け、謎の怪人は異次元へ撤退した。
その後…。
「お礼にと思って入ったフルーツパーラーで夏休みの宿題の話になって…」
「………」
「困った時はお互い様ですよ。北斗さんも夏休みが明けて直ぐに補修なんて嫌でしょう?」
「………うん」
「それならここは力を合わせて、北斗さんの窮地を救いましょう。大丈夫、わたし達は光の戦士なんですから!」
優希の言葉に目を輝かせる進夢。
「そうだな!優希の言う通りだ!北斗、力を合わせてこの試練を乗り越えよう!!」
「……わ、わかりマシタ」
進夢の勢いの若干押されながらも返事をする北斗。
「よし、自由研究はあたしと優希に任せておけ!北斗、お前は読書感想文をなんとしても倒すんだ!!」
「は、はい!!」
(良かった。何だかんだ言ってもお互いを信頼しているんですね)
「ん?どうかしたか優希?」
「いいえ、何でもありません。それでは取り掛かりましょう。わたし達の勝利は目前です」
「おー!!」
「お、お~…」
夏の午後、少女達のもう一つの戦いは続く………。
『相互リクエスト作品』
ver10さんuser/471249よりリクエスト頂いた作品です。
リクありがとうございました!
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2015-08-27 00:12
Comments (10)
リクエスト作成ありがとうございます(^_^) 普段見せない北斗ちゃんの表情ナイス!!
View Repliesマイ「……あのぅ、ナナさん。そろそろ休憩しませんか?」 ナナ「も~~。まだ、30分しかしてないでしょ?あと、1時間はやらないといけないんだから」 マイ「う~~……宿題、もっと早いうちにやっとけばよかった~~」
View Repliesエビラ「北斗さん。ちゃんと宿題は計画してやってください。」 響「そうよ。そうでないとお姉ちゃんみたいになるよ(髪の色的に)。」 暁「それってどういう事よ!!」
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