日本号は来なかった

「来なかったなー」
「なんばしょっとかねあのモップ･･･天下三槍」
「結局何周したんだっけ」
「50過ぎたけんもう数えるのやめとーよ」
「すんません、配水管の清掃と水回りの点検終わりましたー」
「おう、お疲れさん、茶でも出すぜ」
「そういえば、日本号ってどんなヤツだっけ？」
「えーと、作業員みたいなツナギ着て、ダスキンモップみたいな槍担いで」
「ふむふむ」
「あースマンな、まだこれから３つの本丸回らなきゃいけねえんで」
「そうか、引き留めてすまなかったな」
「髪を後ろで適当にしばったおいちゃんで」
「ほほー」
「じゃあまた暮れにでも頼むぜ」
「どーも、酒ならいくらでも付き合うぜ？」
「ばり酒好き」
「おー、そうだったそうだった」
「仕事中に飲むなよ…伝票はそこに置いてあるから」
「へいへい、今後とも我が本丸清掃組合【日本号】を御贔屓に」
「え」
「え？」