「なんだいケイン、
君はいつまで経っても泣き虫だね。私が死んだ時も泣いていたじゃないか。君は昔から私のことを慕ってくれていたけれど、私はもう君を導いてやることは出来ないんだ。だって、君には私のことが見えないからね。ほら、君がいつまでも泣き虫だから私は中々成仏出来ないじゃないか。全く馬鹿だなあ、君が私に抱いていた気持ちも、私が君に抱いていた気持ちも、お互いに気付くのが遅すぎたなんてね。重荷を背負わせてごめんよ、ケイン。けれど私は出来るなら君の笑顔をもう一度だけ見たいんだよ。だから笑ってくれないか。私はもう泣けないけれど、私はもう笑えないけれど、君が私の分まで泣いて笑って生きてくれれば、私はそれで言えるよ。ケイン、君といられて幸せだった、...って」
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2015-09-09 20:53
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