vanillaな薫りの安室さん

蠱惑的な、あまい、あまい馨りがする、、。
ただ何処か純粋でない、苦味の混じった不思議な香りに思わず首を傾げた

「あむろ、さん??」

匂いの元を辿り、そっと覗いたバスルーム、
天井を仰ぐようにバスタブに深く背を預けた彼の口元には、
彼の肌と同じ色のcigarが咥えられていた。
馨りの元はそれが吐き出す紫煙か、はたまたバスタブから大量に溢れている泡か、、

「ああ、起きたのかいコナンくん」

こちらの姿に気づき、まだ長さの残るcigarを
もくもくと隆起している泡に押し付ける。
じっ、と火が飲まれる音とともに、
バニラの薫りがあたりにぶわっと広がった。

「あむろさんて、煙草、喫む人だったんだ」

あぁ、薫りの正体はcigarの方か、と
意外そうに呟けば苦粒を噛み潰したような笑みが帰る。

「たまに、ね。
それに、コレしか喫めないよ」

枯葉色の細長い吸い殻を、傍にある灰皿らしきものに放った。
本来は臭いはずの煙草が甘いにおいを孕むことで
幼い顔つきの安室と妙にしっくりと重なり合う。

「あまい、ね」

くん、と鼻で息をすれば
鼻腔いっぱいに、
石鹸の香りなど全て覆い隠してしまうくらい
クラクラするような甘さが広がる。

「キスも。甘いんだよ」

そう引き寄せられ、重ねられた唇は、
彼の言葉に嘘偽りなく、頭の芯が溶かされそうな程に、酷く甘ったるかった。

勝手に付加設定。
ウチの安室さんは、さり気なくBlack◯tonevanillaの愛喫家。
組織にいた頃ジンやライに対抗して吸い始め、今もたま〜にお家で燻らせてます。

6
4
1493
2015-09-18 04:13

 仍燈紅妃


Comments (0)

No comments

Related works