【ぴくのく】 【曇天のオブスクラ】
「ミハイル…ミハイル、ごめんなさい、私……あなたのことをずっと好きよ」
「知ってたよ、僕だって君が大切だった。それに皆、君の事を心配しているよ…幸せに生きて欲しいって。」
「ありがとう……さようなら…」
シェムとミハイル【illust/52389766】はこれをもってオブスクラから退場します。シェムは元の時間(現代と未来の間)にもどりました。ミハイルは幽霊のようなものでした。
なおぴくのくお決まりのIFでこれ以降も交流は可能でございます。
↓以下、シェムの長い独白
ずっとあなたに謝りたかったわ、ミハイル……皆燃えてしまって、私だけが吸血鬼として生き残った。あなたへの恋心が、私を生かしたの。お屋敷を燃やした犯人への復讐の為に、生きていたわ。
…でも、やっと見つけた犯人は、もう死んでしまっていたの。恨みを散々吐いてしまえると思ったのに。人の一生が驚くほど儚いのはわかったいてはずだったのに、忘れていたのね……いいえ、考えないようにしていたんだわ。
…お母様も、お父様も、使用人の皆も……そしてあなたまで、そんな風に失いたくなかったのに。病弱だった私が一番最後まで残るなんて、誰が信じられると思う?一番幼かった私が、大人になれなかった私が、たった一人。
七つとわずかの子供が一人残されて、死んだ身体で、大きくなれないその身体で延々と生きたわ。…生きた、と、言ってもいいと思うわ。長く生きるうちに、過去の記憶はどんどん書き換えられてしまって、やっとここで見つけたの。そのためにここに来た訳じゃなかったけれど……本当は、謝りたくて…そう、ただ。あなたに会いたくて。
…眷属(家族)も沢山出来たわ。あらゆるものを嫌って恨んで冷たくしていた私を見捨てないでいてくれた。彼らがいたから私は生きてこられた。広く増えてゆく彼らの家族を、人と結婚して血がどんどん薄くなっていっても、それでも愛しいと思えるようになって。いつからか、復讐のためだけではなく私は生きていけると、そう思えるようになったの。
あなたがいたから私は生きた。それはほんとうに、大切なことで。
いまもずっと、あなたのことが好きです。
……あいしています。
いつかまたどこかで、わたしたちがであえるなら。
そのときには、えがおでふたり、おわりまでいきていきたいわ。
「知ってたよ、僕だって君が大切だった。それに皆、君の事を心配しているよ…幸せに生きて欲しいって。」
「ありがとう……さようなら…」
シェムとミハイル【illust/52389766】はこれをもってオブスクラから退場します。シェムは元の時間(現代と未来の間)にもどりました。ミハイルは幽霊のようなものでした。
なおぴくのくお決まりのIFでこれ以降も交流は可能でございます。
↓以下、シェムの長い独白
ずっとあなたに謝りたかったわ、ミハイル……皆燃えてしまって、私だけが吸血鬼として生き残った。あなたへの恋心が、私を生かしたの。お屋敷を燃やした犯人への復讐の為に、生きていたわ。
…でも、やっと見つけた犯人は、もう死んでしまっていたの。恨みを散々吐いてしまえると思ったのに。人の一生が驚くほど儚いのはわかったいてはずだったのに、忘れていたのね……いいえ、考えないようにしていたんだわ。
…お母様も、お父様も、使用人の皆も……そしてあなたまで、そんな風に失いたくなかったのに。病弱だった私が一番最後まで残るなんて、誰が信じられると思う?一番幼かった私が、大人になれなかった私が、たった一人。
七つとわずかの子供が一人残されて、死んだ身体で、大きくなれないその身体で延々と生きたわ。…生きた、と、言ってもいいと思うわ。長く生きるうちに、過去の記憶はどんどん書き換えられてしまって、やっとここで見つけたの。そのためにここに来た訳じゃなかったけれど……本当は、謝りたくて…そう、ただ。あなたに会いたくて。
…眷属(家族)も沢山出来たわ。あらゆるものを嫌って恨んで冷たくしていた私を見捨てないでいてくれた。彼らがいたから私は生きてこられた。広く増えてゆく彼らの家族を、人と結婚して血がどんどん薄くなっていっても、それでも愛しいと思えるようになって。いつからか、復讐のためだけではなく私は生きていけると、そう思えるようになったの。
あなたがいたから私は生きた。それはほんとうに、大切なことで。
いまもずっと、あなたのことが好きです。
……あいしています。
いつかまたどこかで、わたしたちがであえるなら。
そのときには、えがおでふたり、おわりまでいきていきたいわ。
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2015-10-25 15:37
Comments (1)
Beautiful!