人間の本
本丸の書庫に、彼の姿を見つけた。何か面白い本でも見つけたのだろう、大切そうに一冊を抱えている。そしてこちらの姿に気づき棚を指差して呼びかけた。「今日はここまで読んだんだ。まったく、人間の書くものってのは驚きに満ちているな。俺の知らないことばっかりだ!そうだ、この本、部屋で読みたいから借りてもいいか?」ここでの生活を楽しんでいることが伝わってくる、その嬉々とした声にこちらの気持ちまでもが嬉しくなっていった。
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2015-10-31 21:39
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