短時間挑戦 2688

 *さて、本日の短時間挑戦は列車で御座います。
 御覧の通り背景が大半を占める一枚。
 これまである程度列車の姿がはっきりと見える形でしたが、今回は初の試みとして飽く迄背景の中に列車が共存しているという形の物を選びました。
 唯鉄橋やかなり小さな車体の書き込みなどに骨を折り、当然背景の塗装にもかなりの時間を消費した結果、お時間は54分と成りました。

 *本日の列車は箱根登山鉄道の3000形電車アレグラ号で御座います。
 2014年11月から営業運転を開始した正に新品同様の車輌。
 同鉄道では輸送力強化の為に93年から3両で運行を行っておりましたが、それでも客足が多い際には一時間近く待つ事があるほど大混雑する事があったそうです。
 その後、97年に三つ目の3両編成を像備した物の、それ以降3両編成の増備はなかったのだとか。
 それ故全車両が三両編成というわけには行かなかったそうで、混雑時であってもその二両編成を運用せざるを得ない状況であったため不評であったのだとか。
 その後も新車導入の検討が行われたそうですが、結局投資は行われず、1000形ベルニナ号の冷房化改造が行われる際にも2000形サン・モリッツ号の中間社を連結する事によって冷房用の電源を確保。
 結局二両編成の列車は残り続ける形に。

 12年、同鉄道と箱根ロープウェー、箱根観光船、箱根施設開発の4社による大型投資計画でやっと新型車両の案が盛り込まれたそうです。
 そして、翌13年にデザインも決定。
 14年、二両で約8億円という巨費を投じ同鉄道では25年ぶりと成る新型車両3000形、アレグラ号が誕生したのだとか。
 ちなみに、このお名前はスイスのロマンシュ語の挨拶から付けられたのだそうです。

 15年5月にはローレル賞を、そして、グッドデザイン特別賞を受賞したそうです。
 特別賞候補となるグッドデザインベスト100に選出され、今回、地域文化や風土に根ざし、地域活性化に資するデザインに対して贈られる
 グッドデザイン・地域づくりデザイン賞(日本商工会議所会頭賞)に選ばれたのだとか。
 まあ、名誉と申せばそうなのでしょうが、此処迄長々としたお題目が着いている物はおまけと申しますか何と申しますかw
 箔が付くと言うほどでは御座いませんね。

 全面や側面に大型ガラスを装着する事で展望窓としての効果を高め、外部デザインは登山鉄道の力強さと親しみやすさを表現。
 箱根の指揮に相応しい赤で塗装し箱根の自然を際立たせる様に配慮したのだとか。
 審査委員はこれらの取り組みを踏まえた上での今回の受賞と成った、との事です。

 *本日の撮影者さんは山犬さんと狼さん。
 もう晩秋の箱根時を走る観光列車の撮影のために秋色に染まる渓谷までいらしたのだとか。
 観光シーズンはこれからスノースポーツへと移行して行くのですが、紅葉を楽しむ最後の一ヶ月として記事にするのだとか。

 鉄橋の上をゆるゆると進む独特のデザインの車輌。
 観光に特化したその姿は正にその為だけに合理化されたかの様な思いきった物。
 谷底の川と紅葉、そしてこの車輌の燃え立つ様な赤を一枚の絵として収めたお二人は温泉に浸かった後で帰途に就くのでした。

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2015-11-11 19:30

 ポテトサラダ


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