紅/黒

■■BAR:purple fog■■

「ねぇ、スパルテ」
「どうした、ツァトラ」
授業も終わり、何時もの様にエグラーフのBARで飲んでいたらツァトラに話しかけられた……。
「スパルテってドレスとか興味ある?」
……何を急に言っているのだろうか、彼女は?
「実は、買ったは良いんだけど着てみたらサイズがどうしても合わなくてね、捨てるのも嫌だし、スパルテに似合うデザインだから」
……。
「……現物を見てみないことには何とも言えないなぁ……」
「わかった、二階の部屋を借りていい?エグラーフ」
カウンターからエグラーフが顔を出す。
「あぁ、使い終わったらまた声をかけてくれ」
「わかった、ありがとう。エグラーフ」

■■BAR：二階■■

「でっ、これがそのドレスなんだけど……」
瞬間移動で家に戻り、またBARに戻って来た彼女の腕の中には白いファーを所々にあしらった紅いドレスが抱かれていた。
「……少し派手すぎないか?」
「そんなことはないよ。それにスパルテには紅は似合うと思うよ?」
……そう言われても……、普段から黒やグレー系のボディスーツを愛用している弊害か紅基調のドレスはどうにも派手すぎるように見えて仕方がなかった……。
「大丈夫、スパルテには似合う。それだけは間違いないから……」
「……分かった。ツァトラ、君を信じて一度だけ着てみよう……」
そうして私は、ツァトラからドレスを受け取った……。

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ドレスのデザインって難しい……。